レストア終盤 (2016/10/07)
軽い気持ちで病院に言ったら、ここも悪い、あそこも悪いと言われて結局長期入院という話はよく聞くが、今年、42才のヨーロッパ・スペシャル、本年4月に、ロータスお決まりの経年劣化症状、「ドア下がり」の治療で修理に出した。しかし入院するとインテリアもイクステリアも悪いところ噴出。10月現在、FRPボディーはあちらこちら手術のあと。ほとんど全塗装しなければならない状態になっている。
おそるおそる「今年中にはできますよね」ときいたら、「努力します」という答え。入院時は「1か月かからないよ」と診断されたのに。
ヨーロッパの難点はそのシフトにある。エランのように「カチカチ」と小気味よく入るわけでもなく、フエラーリのように「シフトガイド」がついているわけでもなく、「ぐにゃぐにゃ」でつかみどころのないシフト。さらにそれが個体ごとに異なる。ひとつとして同じものがないと言う。加えて私の場合、1速と3速、2速とリバースの位置が薄紙一枚ぐらいに近い。青信号になって1速に入れて走りはじめる時、3速から2速へシフトダウンするときの緊張感はただごとではない。この車、2012年に購入したのだが、2014年はエンジンレストアで丸1年入院。2015年は日本へ帰国で米国からのパナマ運河経由で海上輸送、通関車検などで半年間乗れず、2016年は半年入院。購入してからまだ1000キロも走っていない。そんなわけで、今年の運転をあきらめるのはいいが、問題はただでさえ運転履歴が少ない上に半年も経つのでシフト・フイーリングを完全に忘れてしまったことだ。
退院時、岐阜から260キロ、自走でうまく帰ってこれるのか。現在はYoutubeでヨーロッパドライバーのシフトさばきを見ながら、イメージ・トレーニングに励んでいる。気休めにしかならんが。
燃料タンク (2016/8/09)
オリジナルの鉄製燃料タンクはもう限界のようで、左側タンクは留め金が折れて3本でやっと留まっていた状態。右側のタンクには中に錆びが結構広がっているとのことで、この際アルミに交換することにした。
日英米の3社で見積したが、結局英国のBancs Europaから購入した。本日到着。センダーユニットもついている。
日本のニュースピード(旧井上オート)で販売されているアルミ製タンクの半分以下の価格である。それにしても日本では旧車のパーツが高すぎやしないか。
ドア下がり修理の顛末 (2016/7/12)
最初は軽い気持ちでドア下がりを治そうと、RDからヨーロッパのヒンジを取り寄せて岐阜の「修理屋」にお願いした。
修理してもらう項目は以下である。
1.両方ドア下がり修正
2.ドアミラー新設(この本国仕様にはミラーがない)
3.ドアハンドル交換(エラン用の手持ちがあった。互換性あり)
4.両方のサイドシルの塗装
5.クラッシュパッド交換
6.パネルライトをLED化
7.カーステレオ、ラジオ日本製に交換(蓮爺からいただいた)
8.グローブボックス交換
9.ドア窓枠アルマイトメッキ
10ドア内貼り張替え(バンクスから入手)
11.後部、前部の部分塗装
12.プラグコード交換(デスビへねじ止めのためキャブレーター外さねば交換できない)
http://www.shuriya.com/shuri-2/resutoa/lotus%20europa%20-tc/lotus%20europa.html
ドアをばらしてみると、思いもしなかったことを発見。ドア部分やサイドシルがステーを介したボルトでとまっているのではなく、補修を安くあげるために、殆どがボンドとゴムで張り付けてあったのだ。さらにクラックをかくすために、サイドステップには大量のパテが盛られてあった。
これらをすべて剥がして研磨しステーをつくり、ボルトの穴を作った。さらに、デスビ摩耗がみつかり、キャツプを交換した。あまりにもいろいろあるので書ききれない。そこで修理屋の写真とコメントを掲載して第1報する。
クラッシュパッド脱着 (2016/5/02)
ロータスの旧車の中でも、ロータス・ヨーロッパは自分で整備やレストアするオーナーが多いことで知られる。一番大きな理由はエンジン・ルームがすかすかで広く手が入りやすいからだ。なんとなく、「自分にもできる」と感じ、いじりたくなるのだろう。ただきわめてよく壊れるし、もともと修理する時のことや安全性などを前提にデザインされていないので、どんどん深みにはまることになる。エンジン下ろさないとウオーターポンプが外せない車なんてそうはない。良く漏れる機械式燃料ポンプの真下に高電圧を発生するコイルが設置されている車もまずないだろう。燃えます。
そんなわけで、世界的にお助け「技術フォーラム」が存在する。ヨーロッパのオーナーたちが立ち上げたインタ-ネット会議であり、ここで部品や修理法などさまざまなレストア改良問題が取り上げられ、英語圏のヨーロッパ・オーナーたちやプロのメカニックたちが議論し情報をシェアする場だ。残念なことだが、英語圏ではない日本人オーナーの参加はまずない。
この場である時、話題になったのが、「ヨーロッパの黒の合成革張りのクラッシュパッドの外し方」であった。エランなどは、ダッシュパネルのボルトをはずし、クラッシュパッド上のベンチレーターグリルと両脇のウインドウピラー、下部のヒーターバランスを外せば簡単にとれる。
しかし、ヨーロッパ、少なくとも後期型のTCスペシャルの場合は、フロントのガラスを外さねば取り外しはできない」というのが定説になっていた。何人もの方が試みた様子を投稿してきたが、残念ながら誰もできなかった。クラッシュパッドの下端がおそらくヒーター部分に何か所かで固定されており、その一つがフロントガラスを外さねばどうしても手が届かない場所であるらしかった。
ロータス旧車のパーツ屋レストア技術の文献が集大成されている有名な米国のGolden Gate Lotus Club (http://gglotus.org/ggpart/europacr.htm) のテクニカルレポートにも、はっきりと「ガラスを取らねば外せない」と書かれている。このために様々な問題が起きる。まず、ガラスを取らねばクラッシュパッドの張替ができない。さらにグローブボックスの交換時、上部の取りつけボルトに手が届かないので交換できないなどである。いずれも経年劣化するもので、40年もすれば否応なしに「やれて」くる。ヨーロッパやエランのグローブボックスは厚紙でできているのだから。
だが、フロントガラスの脱着をDIYで行えるオーナーはあまりいない。特にヨーロッパの場合、オリジナルがいいかげんなために、ガラスやウインドトリムがそのまますんなり無傷で脱着できるとは限らない。かといって新しいトリムやガラスが車にきちんと入ることはまずない。とにかくいいかげんな車なのだ。だからオーナーとしては極力外したくないパーツのひとつなのである。・
2年ほど前、このフォーラムに「ついにフロントガラスを外さずにクラッシュパットを取ったぞ!」という投稿があった。早速読んだが、何と、そのオーナーさん、あまりにも取れないので、頭にきてクラッシュパッドを二つに叩き割って取ったというのだ。読んでいて可哀想なぐらい自虐的な投稿だった。それほどオーナー諸氏にとっては困った問題なのである。
今回、僕はどうしても経年劣化で浮き上がってきているクラッシュパッドの合成革の張替と色が剥げたグローブボックスの交換をしたかった。エランでは何回もやっているので自分でなんとかしようとしたが無理だった。そこで岐阜の「修理屋」に持ち込んだ。事情を話して「最悪はフロントガラスを外してもよい」とお願いした。
それから1週間。案の定、ダッシュパネルをはずしても取れなかったそうで、ならフロントガラスを外してくださいと頼んだ。
しかし答えはNOだった。何と、僕のヨーロッパのフロントガラスはゴムボンドで接着してあったそうだ。だから、まだ十分使えるアルミ製のウインドトリムを傷つけずにガラスを外す自信がないという結論になったのだ。僕はあきらめざるを得なかった。
ところがである。先日、修理屋を訪問したら、このクラッシュパッドがフロントガラス脱着なしに見事にはざされていた。これには驚いた。
なんでも特殊な工具を作ったそうで、これは今度詳細を聞いて、技術フォーラムに投稿するつもりである。よかった。
ヨーロッパの内装張替え(2016/1/26)
2年前に英国のバンクスからRHDヨーロッパTCSの内装張り替えキットを購入し、封もあけずにそのままだったが、今回、封をあけた。まず驚いたのは、そのカーペット地の質の悪さ。触ると端がすぐぼろぼろになる。それにどういうわけか、フロアマットだけLHD仕様になっていた。それはないだろう。
2年も前だから今更クレームもできない。さらに、訳の分からない布地が入っていたり、寸法が会わなかったり、リチャードバンクスよ。購入するとき、「俺の内貼り素材は30年間販売しているが文句を言ったやつは誰もいない」と豪語していたが、たいしたことないぞ。
だがこうなったらこれでやるしかない。モトリタステアリング、センターコンソールをはずし、シートを外し、ダッシュパネルを緩めて、内装を全部はがした。
さすがに40年の月日はすごいもので、内貼りカーペットはすでに布地というよりは、固い「板」状態になっていた。シートレールはかなり錆びていたので、やすりで磨いた。
余りにもすぐボロボロになるので見えるところは.ベージュのバイアステープをミシンで縫って張り付けて端を強化した。
ルームランプはスイッチが壊れていたのでRDから新品を購入してバックボード張替のときにつけ換えた。
シートは2年前に一部張替えたが、今回は足元の一部を張り替えた。
ドアの張替キットもあるがこれは今年の春に予定しているドア下がり修理の時に取っておく。
素人なのでこの程度でしょう。
それにしても、2週間かけた割には見えるところが少なすぎて、すこしがっかり。
整備 (2015/9/05)
日本での通関や車検は無事に通ったが、小傷が一杯増えた。エンジンレストア中のクリスの雑さ加減もひどかったが、JSPECという海外引越し運送会社もお勧めは出来ない。
購入時からの両側のドア下がりが気になっているが、東海岸では修復不能だった。今年の冬に美濃太田の修理屋に依頼する予定。
車検のためにエランと同じように空気取り入れグリルいっぱいにナンバープレートが付けられていた。これではオーバーヒートしてしまうので、バンパーを利用して横に付け直した。かっこが悪いが他に方法がない。
エキマニはレストア前にになんども耐熱ペイントを塗って加熱しては重ね塗りしたのだが、エンジンかけるとすぐ剥がれた。あの努力は何だったのだろう。やむをえず米国から持ってきたサーモバンデージを巻く。これは簡単である。十分に水でぬらして巻くだけである。しかしなんとも下手にできあがった。エランと違って手がはいりにくいので仕方がないが。こんなことなら装着前に巻くべきだった。
巻いている最中、職権打刻を発見。打刻ではなく貼り紙ですね。すぐ取れそうですが。
電気系統のチェックも終わってエンジンをかけるとアイドリングがかなり低くて赤ランプがつく。標高1000 m だからか、あるいは気温が15度と寒いからか、あるいは輸送中に何かあったのかわからないが、とりあえず、スロットル・アジャスト・スクリューを時計周りに1回転させて回転数を800まで上げて様子を見ることにした。アイドル・ミクチャー・スクリューによるシンクロ調整はまだ行わない。
エンジンが温まるとガレージ中、バンデージからの水蒸気と煙でひどくなったので中止。
そして次ぎの日、電気系統を全部チェックした。なぜかわからないが、ヒュースボックスのカバーがはずれ、35Aの棒ヒューズが見事に折れている。交換。
次に車検用に貼ったKm 表示の紙をとりはずす。簡易的に糊で貼っておいたのですぐ剥がれた。アルコールで表面を拭いて再装着。
プラグコードの劣化が指摘されていたので、ヨーロッパ用のシリコンプラグコードを購入した。横刺しだが、デスビキャップ内でねじで止めしてある事が購入してから判明。コードを切ってつなげばよいのだが、僕にはデスビキャップをはずすことができなかった。
デスビキャップは2本のプラスねじでとめてあるが、手もドライバーも入らない。インマニをはずさねばだめのようだ。修理屋に頼むことにする。一応これでリハビリ終了。走りは快調だが、長いこと乗っていないので、オイル切れの自転車のような感じ。どこかぎくしゃく。レストア後のエランもそうだった。これからはできるだけ乗ります。
輸送の最終準備 (2015/4/05)
日本への輸送日が迫っているのですばやくしなければならない事があった。
(1)スピードメーターをキロ表示にする。
最初はキロ・マイル両方表示するスミスのメータ表示版に替えようと思ったのだが、メーター針の抜き方に不安があり躊躇した。ここで壊したら元もこもない。
時間がないので貼ることした。コンピューターで作成して貼った。
(2)ブローバイ処理
時間がないのでホースで直接外気へ。帰国後にフイルターを再設置。
(3)ヘッドライトの変更
英国からの輸入時についていたルーカスに替える事にした。英国は日本と同じ左側通行で右ハンドルだからライトも同じであろう。
通関で光軸調整するだろうからグリルはあらかじめはずしてトランクに置いておくことにする。
(4)スペアタイヤの固定
12 mmの17センチのボルトで固定した。
(5)ハザードランプ
日本の規則では69年までしかハザードランプは免除されない。僕のは72年式なのでハザードがないと車検は通らない。以前、自作したのだが、ウインカーがハザードになってしまいうまくいかなかった。そこで電源(A)とスイッチ(B)の間にハザード用のリレーを入れてみた。
うまくいった。イーストマンさんからいただいた端子付きコードが役に立った。感謝である。
これですべて整った。
完成 (2015/3/24)
エンジンを積んでからもいろいろ書ききれないぐらいの題が出たが本日やっと動くようになった。1年5ヶ月ぶりのテストドライブではまずバックギアが上だったか下だったか完全に忘れていた。ギアの入りづらさは変わらず。感を取りもどすまでたいへんである。、
ひとつ体感できた事はパワーアップである。3速4速はかなりパワフルになった。サウンドもよくなっていた。、またオイル類の漏れも一切なくなった。以下で動画が見れます。
ただ苦労して塗ったエキパイ塗装は一回の火入れではげてしまった。日本でバンテージをまくことにする。
問題発生 (2015/3/01)
なんとかエンジンの再組み付けになった。
しかし最後の最後にクラッチケーブルがMILDのエキパイにあたるというトラブルが起きてしまった。
この車は購入時にクラッチを1,2 速にいれようと「半クラ」にするとひどいジャダー現象を起こした。そこで、共振を防ぐためにフレームに付いているクラッチケーブルの固定パイプを回避し、新たにエンジン本体に対策ブラケットを付けてそれにクラッチケーブルを通すことで、なんとかジャダー現象を解決した。
その時はオリジナルのエキパイであったので問題はなかったのだが、今回、MILD のエキパイに替えたので、クラッチケーブルをフレームにつけても、エンジンにつけても必ずパイプ下部にべたりと当たってしまう事がわかった。困った。だが時間がない。
一番やりたくないが、一番時間がかからない方法はエキパイを元に戻すことである。選択の余地はない。まず錆びだらけのエキパイをサンドブラストにかけることにした。あと1ヶ月しかない。
エキパイ連結 ( 2105/2/11)
エンジンの調節中、ウオーターポンプがはずれて高温のエキパイに水がかかり耐熱塗装がはげてしまった。マフラー用のペイントがこれほど弱いものとはしらなかった。かなり高温で焼いたのだが。やはり素人塗装ではだめなのかもしれない。もう一度塗装するために取りにいったら、クリスから思わぬ一言が、
「このミルドのエキパイは危険である。エンジンへの連結部分がパイプの固定部分と兼用しているために接地面積が少なくエンジン部との間にかなり隙間があく。下手をすると走行中にずれる可能性がある」
彼はこの凸部分をできるだけ平らに削るべきだと主張した、
エランのスプリント用のエキパイと比べると穴の外径となども確かにすべてが雑である。しかし、これをグラインドすればパイプとの連結が弱くなるわけで、今度は表側からさらなる溶接補強処理が必要になるのではないのか。時間がないのに何でこういうこというのだろう。だが、後悔するのも嫌なのでやって貰うことにした。
後輪のドラムブレーキのシューは新しくなった。助手席側後輪のハンドブレーキ調節プレートが欠損していることがわかった。これは既にパーツ欠品なのでこのままにした。たいした問題ではない。アクセルワイヤも新品に変えた。
出来上がったエキパイは確かに削ってはあるが全くの平らではない。たいしてかわらないと思うのだが。
エキパイは再度やすりをかけて耐熱塗装を塗ってバーナーで焼いた。これを最後にしてもらいたいものだ。
クリスはすでにエンジンの事前組み立てを終わっていた。クラッチも新品である。
問題はミッションなのだが、オイル漏れした箇所がまだ特定できない。ユニバーザルジョイントはしっかり清掃した。疑わしい箇所はシフトのシールではないかと思っていたのでここも新品のシールに替えた。
いよいよ来週組み立てである。どうなるか。もう時間がない。
エンジン完了 (2015/1/30)
気が遠くなるほどの時間がすぎた。デロルトのいろいろなジェットを入手、新しいウオーターポンプを再度取り付け、内燃機関屋「ウイリアムレーシング」の手が空くの待っていた。
年が明けてやっと順番がきた。再度もちこみ取り付け。黒い円筒形の塔はラジエターである。
オキシジェンセンサーは混合気の確認に必須といううことですでに穴あけされている。オリジナルが破損していない限り、このチェックはすべてオリジナルパーツで試すのが基本とか。デスビ、コイルすべてオリジナルをアジャストとして使用。
結果はすべて良好。一応6200-6600rpmで130-140馬力程度を示した。このウイリアムさんのテスト機器はコンサーバティブな値をだし、実際の10-15%低く表示されるということなので、、彼は「まあ140から150馬力」というところだといっていた。
ヨーロッパTCS本国仕様スペックは126馬力なので、この数値はシリンダーボアとピストン外径アップと蓮車師匠からいただいたハイカムのおかげである。これがロータススツインカムの音だったのか。レストア前のヨーロッパはただうるさく、まるでトラクターの音であった、それと比べるとなかなか良いサウンドである。
次のURLで音が聞けます。
あとは先の水もれですっかり塗装がはげたエキパイの再塗装をしていよいよ最終段階。エンジン組み立てに入る。
トラブル発生 ( 2104/11/15)
TCエンジンはずいぶん前にクリスのショップの近くの「エンジンダイナモ調整ショップ」に送られていた。
待ちに待って2ヶ月。やっと調整が行われた。2ヶ月も待たされた理由は[ぴかぴか]にリビルトされた「あるエンジン」から調整開始すぐに突然水が噴出したのだそうだ、もう一度開けて原因究明をを3回繰り返し3週間かかった。原因はガスケット周りだそうだが、リビルトでは時々あるとのこと。
ぼくには「ダイナモショップでの調整」など聞いたこともなかったのでクリスに訊いてみた。これは米国のプロのエンジン・レストア作業では必ず行われるステップだそうだ。クリス曰く「自分でやって後で調子が悪くなるよりも、ここに頼むのが一番経済的である。レースカーでなくとも普通の車でも勿論そうする」のだそうです。
日本でのオーナー自ら行うDIY調整のことも話した。彼は繰り返した。「後でトラブルを避けたいのならこのステップでベストマッチを見つけるべきだ。別に最速エンジンにしようというわけではない。ベストパフォーマンスをひきだすためだ。デスビとのベストの組み合わせを含めて総合的に調整する事がエンジンを長持ちさせるベストの方法なのだ。このステップを踏めばエンジンの馴らしなどはいらないんだ」と強調していました。
というわけで、僕のエンジンも一時的にマフラーに繋がれ、蓮車師匠からいただいたMILDのスチール製エキマニには穴が開けられ、オキシジェンセンサー(写真赤い矢印)が取り付けられての調整になった。デロルトキャブは事前に全分解され中をチェックしたところ、さびたりしてたそうで全部直したようだ。(分解整備が800ドルもした)
最初はオリジナルのジェットをつけて最初は600-700 RPM 程度で5時間かけて馴らし、それからじょじょに回転数をあげていった。だが、回転数をあげるとオリジナルのジェットでは混合気が薄すぎたそうだ。いろいろ削ったりしているのでやむをえない。そこでジェットを替えていったのだが、このダイナモ屋にはウエーバーのジェットしかなく、一時的にウエーバー品で調整を行いエンジンが安定になる点を探したそうだ。デロルト品は注文中。
そのうちにオーバーヒートの症状が出た。これはRDから購入したウオーターベルトがゆるすぎたため。クリス曰く「レイのやつ、草刈機のベルトをよこしたんだ。これは断じてヨーロッパのではない。俺は返す」。そうして彼は、まともなベルトを英国のMiles Wilkinsから取り寄せた。 http://fibreglassservices.com/sales.html 旧車ロータスのパーツはこのショップがベストといっていた。
新しいベルトをつけてエンジンをかけると4500RPMあたりで突然ウオーターポンプが不調になった。あけてみると、ウオーターポンプの impeller(羽根車)が緩んでしまっていた。幸い他のパーツには何のダメージもなかった。
クリスは「原因はわからないが、おそらくウオーターポンプが粗悪品だったのだろう。とにかく別のところから購入するという。待つしかない。この1年、ショップの片隅になす術もなく鎮座してる空っぽのヨーロッパには埃がかぶっている。これからどうなるのだろう。
エンジン組み立て 3 (2014/9/17)
本日、ショップに寄ったら、だいぶ組みあがっていた。エキマニ、オリジナルのデスビも仮付けされており、スプロケットのタイミングマークは双方同じ位置に合わせられていた。カムシャフトボアだけ注文中。これから「ダイナモ屋」に渡してバルブタイミングを調整したり、デスビなどの点火系がそのまま使えるのかどうかをチェックして貰うとのことだ。そのときにこのエンジンの馬力の実測値が出てくるそうである。
このエンジンには蓮車師匠からいただいたスチール製のMildのエキマニを装着し、サイレンサーにはもともとついていたステレンスマフラーを使う予定なので、既存の連結パイプはマッチしない。新たに作成する必要がある。
デロルトのキャブも分解清掃が必要かどうかを判断してもらうといっていたが、取り外した後に僕のほうでキャブクリーナーで充分に洗ったから汚れはないと思う。ニードルが最適かどうかをチェックする必要があるといっていた。いずれもハイカムにしたために必要な整合性チェックと理解した。
細かい点では、デロルトキャブをつけるためのソフトマウントを交換。またさらにワッシャーとしてゴムのグロメットを使うそうだ。
これはオリジナルのダブルスプリング・コイルワッシャーよりもキャブには断然よいとのこと。レースで経験したノウハウだと言っていた。トヨタ製部品だそうである。
エンジン組立て 2 (2014/9/06)
「ヤル気あるのか!ないなら止める。他に頼むぞ」など、さんざん罵詈雑言を浴びせたら少しスピードアップしたような。米国で旧車を扱うプロのかたには自分流を貫く人が多い。クリスも自分の仕事スタイルに文句言われて、嫌な思いをしてるとは思うが、僕には時間がないのだ。もう10ヶ月たつというのに、このありさまだ。
本日、ショップにいったらタイミング・ケースは装着済みでオイルパンをつけていた。オイルルパンの塗装は僕自身がやったのだが、もっと厚く塗って置くべきだったと後悔している。ガスケットにはParmatexの黒シリコンを塗ったそうだが、表面が平らであればほんの少しで良いそうだ。あとはトルクレンチで締めていた。
次にひっくり返して、シリコングリースのついたコルクガスケット、ピストン側の銅版ヘッドガスケットには両面に液状のシーラントを充分振りかけてその上にシリンダーヘッドアッセンブリーを乗せた。
ゴム製のブリーザーパイプ、オイルポンプ、タイミング・チェーン、ウオーターポンプ、フイルタ-本体、ウオーターポンプ・ベルト、タイミングチェン・テンショナー、オイルシールなどは新品に交換になった。
あまりびっくりする作業はなかった。ヘッドボルトには締める順番があるが、頭の中にはいっているらしく、少なくとも2種類の新旧トルクレンチを使って何度も何度も、すべてのねじの締め加減を確認していたのが印象的であった。
このツインカムのエンジン番号もでてきた。
クリスにとってはこのヨーロッパが20回目のロータスツインカムエンジンの組立てただそうである。
さらに英国のPaul Mattyからトランスミッション関連のパーツを入手した。最初はバンクスに頼んだのだが、すぐレスポンスすると言ってから2週間返事がなかった。「バンクス。お前もか」この欧米のいい加減さにかなり怒り心頭になったのでPaul Mattyに注文を入れた。バンクスに断りのメールをしたら、どういうわけかバンクスのリチャードからすぐ連絡があり、「ポールマッテイには俺の会社がおろしているのだから、これからは直接頼んだほうが安いぞ」という。返事がないからやむをえずPaul Mattyにしたのだ。とにかく、ロータス関係者のライフスタイルには僕はついていけない。
B074E0147Z THROTTLE CABLE £27.41 £27.41
365 INDENT HOUSING £35.00 £35.00
A074F6014Z BALL BEARING 1/2” £0.75 £0.75
INDENT SPRING £0.65 £0.65
A074Q6005Z OIL SEAL £13.65 £13.65
A074Q6002Z CIRCLIP £0.85 £0.85
A074Q6003Z SHIM £0.43 £0.43
FGBM074 GEARBOX MOUNTING 352/365 £26.50 £53.00
エンジン組立て 1(2014/8/2)
シリンダーブロックができあがりロータス・ツインカム・シリンダーブロックにロータスオリジナルの色(少し濃いグレー)が塗られた。ボルトがなめていたイグゾーストのボルトもへリサート加工されたし、なめていた冷却水のハウジング固定用ナットの穴も新たにねじが切られていた。
ハイカムも装着された。バルブクリアランスは蓮車師匠やEASTMANさんのアドバイスに従って、INLET : 0.008inch、EXHAUST : 0.010inchに調節。いずれ狭くなってくるので、最初はやや広めでも良いとクリスに伝えた。無事終了。
問題はジャック・シャフトの装着時に起きた。ジャック・シャフトには5箇所に円形のベアリング・サーフエスがついており、貫通させるブロックには両端をのぞいて前後中、3カ所にベアリングホールがありジャックシャフト回転を固定している。
そのホールにはベアリングが入っている。今回これも新しく交換したのだが、前のベアリングが狭すぎてジャック・シャフトが通らないのである。こんなことは初めての経験だとクリスが言っていた。
ジャック・シャフトのベアリング・サーフエスの直径は5つとも同じ、ホール中の新しいベアリングのサイズも同じなので、原因は何らかの原因で前のブロックのホールのサイズが微妙に狭いことになるになる。ベアリングを削って大きくするしかないのだが、かなり柔らかい素材なので、下手をすると変形してしまう。1個失敗した。やむをえず、ホールに装着しての削りだしになった。場所が場所だけにこれが難航した。最終的には何とかうまく削ったのだが、これを通して感じたのは、こういう作業にクリスは実に慎重さにかけるということだ。長いやすりで手作業になるが、入り口のホールのベアリングにあたって傷がつきやすいので、保護するために布などを巻くとか、あらかじめはずしておくなどを考慮すべきなのにガリガリやるものだから、案の定、この入り口のベアリングの表面も傷ついた。結局再交換した。全く理解できない。
なんとかジャック・シャフトをいれ終わった。
次はクランク・シャフトやピストンなどの装着となった。
クランクシャフトは重さが同じになるように削った調節用のおもしがついたメインキャップでふたをする。装着箇所には特殊なオイルを入念にぬった。
何でも固定用のボルトはオリジナルとは異なるレース用だそうで、こまかい溝が入っていた。はずれにくいそうだ。
クランク・シャフトは装着後、わずかながらの「遊び」が必要である。そのために、スラスト・ワッシャーなる半円形のワッシャーを各隙間に入れるのだが、どういうわけか厚すぎて「遊び」がたりない。
特殊な測定装置〔名前忘れた〕で「遊び」を測定。0.005インチの遊びのところ、0.0025しかないそうだ。やむをえずサンドペーパーでワッシャーを削った。
コネクションロッドのついたピストンはリング・コンプレッサーなる特殊器具を使って慎重に叩いて入れていった。
最後に清掃したオイルピックアップ・フイルターとオイルリターン・チューブをつけた。どうやって固定するのかと思ったが、最初にバーナーで穴付近を充分に加熱。そして、すぐチューブをねじ込むというやり方だ。冷えるとしっかり固定された。これでオイルパンをつければ終わりである。
たとえ共通の部品でもエンジン一つ一つで微妙にサイズや形が異なっていることを学んだ。これは何十年もたった旧車ならではのことなのだろうが。ここにまたレストアの醍醐味があるのだろう。奥が深い。
エンジンレストア(2014/5/31)
半年たっても全く何の音沙汰もなかった「シリンダー ブロック」と「ヘッド」がやっと出来てきた。まだ包装されていて詳細見れなかったが、ちゃんと面研され、ヘリサート加工でボルトも修理されシリンダーボア(内径)もやや大きくなったそうだ。
それにみあう新しいピストンとバルブも到着していた。丁寧な仕事なのだろうが、あまりにも長かったので僕は既にかなりテンションが下がっていた。
またすっかりダメージを受けていたコンロッドも直ってきた。
さらに今期のドライブはあきらめているのであまり感動はなかった。クリスの話ではまずシリンダーブロックを洗浄してロータスオリジナルの色でエンジンブロック外側を塗装するところからはじめるそうだ。どうなるか。もう期待はしていない。
クリスから、カムシャフトのBLH46へのリプロファイリングにより、リテイナーを調整するのかどうかという質問がでた。これは蓮車師匠からの「不要」という回答を伝えた。
低いテンションのまま帰ろうとしたその時、クリスの友人がエリートでやってきた。1960年式である。1975年に購入してずっと所有しているそうだ。
「乗っけてやる」というので助手席にのせてもらった。生まれて始めてのエリート体験は貴重であったが、状態が悪すぎる感じは否めなかった。内装はボロボロ、ドアもきちんとしまらず、ショックはへたっていて、正直なところ、乗り心地は悪かった。
ただSUキャブの音は良かった。エランと比べるとかなりの鈍足でびっくりしたが半世紀前の車だからやむをえないだろう。
この先もめったに乗れる機会はない「エリート」なのでちょっとがっかりだが、ただきちんと手入れしたエリートはどのような感じなのかというイメージはしっかりいただいいた、やはり魅力的。欲しい1台ではある。
タイヤ交換(2014/3/19)
現在のタイヤはYOKOHAMA製S306で後輪は2006年、前輪は2004年製造である。この機会に交換を考えた。とはいえ、日本で13インチホイールのロータス旧車所有の方は皆さん頭を痛めておられるのがタイヤである。米国はさらに悲惨である。
米国で手に入る13インチはスノータイヤかオールシーズンタイヤかエコタイヤしかない。日本、韓国、中国、米国製である。この中で一応ツーリング用でセダンとかコンパクトカーに適し、スピード限界がT〔180Km〕であるタイヤとなるとさらに狭まる。
クリスに相談すると、彼の意見は「タイヤはブランドにこだわるより、こまめに取り替えるほうがよい。4年ごとに交換するならブランドに差はない」とのこと。中国のNANKANというメーカーは論外として、僕が候補として選んだのは、FALKEN SICERAとKUMHO SOLUSである。日韓対決である。僕はFALKEN は20数年前に試した事がある。当時、日本では一番安い60タイヤだったからだ。それ以来FALKEN は安物というイメージが強い。だが韓国は苦手なので、ここはFALKENにした。送られてきたタイヤをみて少し驚いた。
大津タイヤさんは、側面のデザインなど相変わらず超じみです。
クリスのショップの隣の車検工場で交換してもらった。おじさんが「いいタイヤだな」と言ったので、日韓中のタイヤのを話をしたら、「お前の選択は正しい」といわれた。
今回はいいが、これからエランとヨーロッパの「13インチ」タイヤをどうやって維持していけばよいのだろう。本当に心配である。
エンジンO/H 6 ( 2014/2/09)
この際だからパーツも新しくしようと思ってまずタンク横についているコイルをはずした。「Lumenition」であった。クリスに「どうする」と訊いたら、「まだわからないから待て」とだけいう。デスビがもう限界なので、「デスビはどうするの」と訊いても、「待て」だけである。理由を尋ねてみた。装着されているLumenitionはPerformance Electronic Optronic Ignitionというものなので、単にコイルやデスビを好きなものに変更すればいいというものではないとのことだった。
システムとしてベストコンビネーションになっていたはずなので、ハイカムが装着されたエンジンができあがってから、ベストの組合わせを選ぶほうが良いから、単品では選ばないということだった。「後でお前が換えるのは自由だが、俺のところにある間はだめだ」そうである。プロ意識に感服です。
バートンに依頼していた、INT側のカムシャフトのBLH46へのリプロファイルが完了して戻ってきた。これで蓮車師匠からいただいたEXT側のシャフトと同じハイカムが揃ったことになる。
サーモスタットハウジングもこの際だからバートン製のアルミ製に変更しようとと思ったら、クリスに「必要ない。使えるものを何で換えるの」といわれた。確かにそうである。また感服。思いっきり鏡面仕上げにした。どうだ!!
クラッチ版は大丈夫だときいていたが、交換だそうだ。またドラムのシューも交換。新しいのが来た。ドラムの「新品シュー」は初めて見た。
スターターは清掃後、動くかどうかをチェックした。モーターは動いた。ソレノイドはマニュアルに書いてあるように配線をつなぎ替えて短絡させた。ギアがカチンと出てくることを確認。清掃も終了。これで良しとしよう。
短絡前
短絡後
清掃前
清掃後
エンジンO/H 5 (2014/1/31)
エンジンやカムシャフトを待つ期間、僕にできることは、清掃ぐらいしかない。以下のことをした。
1. デロルトキャブ:キャブクリーナー、メタルクリーナー、ブラシ、電動ブラシなどで清掃したが、出来あがりはこの程度。
取り外したデロルト
2. トランスミッション:これも油落として、あとはひたすら磨いた。上下ボルトはM7-30である。これは新品に変えた。トルクレンチで規定のトルクで締めた。
3. ルーカス・スターター:油まみれだったが、使えるということなので、ソレノイド部分を分解して、「アセトン」と実験室からいただいた「酢エチ」で油と旧い塗装を落とした。サンドペーパーでこすったら「ルーカス」の字が表れた。あとはペイントした。結構、情けなくなっている。新しいタイプの互換性のある日本製がRDから手に入る。これも考える。
4. ベルハウジング:磨いて塗装した。
エンジンO/H 4 (2014/1/14)
クリスから「1番シリンダーがスすごいダメージだぞ」という電話でかけつけた。エンジンもトランスミッションもオイルタンクも取り外されていた。問題の1番シリンダーはすごいことになっていた。
さらに4番のシリンダーヘッドの端は欠け、表面は削れていた。クリスは「4番のプラグが白くなりすぎて燃料が薄すぎるので変だ」と思っていたそうだ。混合気が薄いのも、ブローバイからの異常な白煙もオイルもこれが大きな原因ではないかということだった。この状態では圧が正常でないはずだから、英国で依頼したインスペクターがチェックしないのはおかしいと言っていたが、後の祭りである。
削れた部分はアルミ溶接してから面研必要。ピストンウオシャーも破損。ピストンは全交換必要。というか。メタル類は全部交換したほうが良いと思う。
さらにバルブガイドもゆるゆる。要交換。これは経年によるものだという。さらにベアリングもかなり金属疲労とのこと。デストリビュターはキャップ真ん中のカーボンがダメージ。要交換。「良くくるま動いていたな」と言われた。
エキゾーストパイプ連結のボルトは3本が破損。サーモスタットハウジングのナット部分が破損。計4箇所のヘリサート加工が必要。
ウオーターポンプには水漏れした後があった。これはリビルトキットで治るとのこと。スターターは大丈夫。ラジエター連結ホース類は使えそう。ただゴムホースは交換。エンジンのO/H には5週間程度必要とのこと。
バートンに出したEX側のカムシャフトが本日到着したそうだ。
エンジンO/H 3 (2014/1/03)
はずされたエグゾースト・パイプを持ち帰り、耐熱バンテージをはずした。少なくとも2本の連結部からガスが漏れていた後が残っている。むりやりリーク防止剤で固めていたが、やはり寿命だったようだ。替え時ということである。このエギゾーストはもう使わないで、蓮車師匠からいただいた「ミルド」のスチール製エグゾーストを使う予定である。
現在のものと形状はほぼ同じだが、マフラーへの連結角度がかなり違うように見える。マフラーとエギゾーストをつなぐ連結パイプは新たに作らねばないかもしれない。また、今回取り外したエグゾーストにはかなり厚く白い塗料が塗られており、厚さは1mmはある。削ると粉になって取れるので、恐らく「シリカ末」などが主成分の、かなり旧式の「高温用のさび防止塗装」だったのではないか。
それでも長年にわたる加熱冷却の繰返しで劣化し、外部から水が浸透して「さび」が発生し、うきあがってきている。僕は「ミルド」のスチール製エグゾーストには、最近、米国で話題の、VHT社の「高熱保証のセラミック塗料」を塗ったのだが、もっと厚塗りしたほうがよさそうだ。この塗料は日本でも手にはいる。「仕上がり」はびっくりするほど美しい。
次にはずしたステンレスマフラーだが、希塩酸で拭くとかなりきれいになった。蓮車師匠からいただいたミルドの「スチール・マフラー」とどのように違うのかだが、クリスの話では、スチールマフラーのほうが音がやや静かだそうである。僕にとっては音はあまり重要ではない。
-昨年修理屋ツアーに参加したとき、一台のヨーロッパのスチール・マフラーが全面さびで覆われているのををみてびっくりした記憶がある。スチール製のマフラーはどんなに防錆処理しても遅かれ早かれ錆びてしまう危険がある。ステンレスのほうが良いかもしれない。さらにもう一つ気になる点は、先に装着される「マフラー・チップ」である。
僕のステンマフラーのチップは取り外し可能のクロームメッキだが。ミルドのマフラーは一体系であり、チップをつける事は難しい。オールブラックでは何か寂しい。これでいくなら先だけはクロム塗装が必要になる。いろいろ問題がありそうである。
エンジンO/H 2(2013/12/26)
蓮車師匠からは「良い状態」と言われた、カムカバーだが、一つ気に入らないところがある。それは結晶塗装ではないことだ。結晶塗装、別名(チジミ塗装、英語ではwrinkle paint)はエランの空気導入口のプレートを塗装する時にやったことがあるので、今回是非挑戦してみたいと思っていた。そういうわけで、「何もわざわざすることないでしょう」と言われそうだがやってみたのである。
まず、100番のサンドぺーパーで丹念に表面を磨く。クリスは、エンジンパーツは決してサンドブラスターをかけてはいけないと言った。単なるこだわりだとは思うが、僕も手でやっている。そのあと、速乾性のプライマーを薄く塗ってから、水でぬらしながら150番のサンドペーパーで表面を磨いた。そしてアセトンで良く脱脂してから乾燥した。
結晶塗装用のスプレーを50度ぐらいまで充分に暖めてから3度にわけて塗った。そうして、下から化学用のヒーターで加熱すること30分。そのまま50度の暖房用ヒーターで一晩さらに乾燥させた。
翌日、いい感じに仕上がっている。次にマスキングテープを貼って、電気やすりで注意深く出っ張り部分の塗装を削った。
最後はスチームで汚れを落として完成である。
もう少し厚く塗ればよかったと反省点もあったが、まあ素人の作品としてはこれで充分でしょう。前よりも良くなったと思う。
エンジン O/H 1(2013/12/16)
エンジンのO/Hのことを蓮車師匠に相談した。何しろ僕のヨーロッパと全く同じスペシャル仕様を1台、ひとりで完全にレストアしたマスターである。私にとっては、「神様、仏様、蓮車様なのである。
いろいろなアドバイスをいただいた。そしてなんと、ヨーロッパのT/Cエンジンインレット側の貴重なBLF-46ハイカムシャフトをいただけることになったのだ。私は全く知識はなかったのだが、師匠によれば、 エランとヨーロッパには同じビッグバルブでもいくつか違いがあるそうだ。フロントカバーの形状と、INLETカムが長いそうである。
クリスはさかんにボアアップを薦めてきた。確かに、現実的なパワーアップの方法はバルブの大径化とハイリフトカムの導入になるのだが、師匠の助言によれば、LOTUS T/C エンジンの場合、エンジンのボアアップはさほど容積アップ→パワーアップに繋がらないそうだ。ビッグバルブの場合、もともと1500ccのブロックを「ボアアウト」してる状態なので、残り代が少ないのだそうだ。むしろ、ビッグバルブ仕様のバルブのままで、カムシャフトの変更(CPL-2→BLF46)が簡単にパワーアップを実現し、しかもあまり扱いにくくないのでお勧めであるということだった。
僕はカムのみの交換でいくことをクリスに言った。師匠からのハイカムシャフトが到着した。クリスに見せると「素晴らしい。上物だ」と驚いていた。そして「お前のオリジナルを替わりに送るのか」といわれた。「いや、彼のガレージにはごろごろ転がっているからいらないっていってた」と言った。
ちなみに英語では、「Lotus parts like this are lying anywhere around in his garage」 となる。すると、「なんていう奴だ」と2度驚いていた。
だが、カムシャフト交換には、まずEXT側のカムシャフトをいただいたインテーク側と同じサイズにリプロファイルしなければならない。師匠からの情報により、英国の「バートン社」に連絡すると、「オリジナルの状態が良ければ、2週間でリプロ出来る」とのことだった。年末年始だから輸送を入れれば、英国のことだから1ヶ月はかかる。
急がねばならない。しかしこちらはどうかといえば、クリスは全くヤル気がなく、まだエンジンすら下ろしていない状態。クリスに「カムシャフトの取り方を日本のマスターから教えてもらたので俺がやるから」と言ったところ、これが職人のプライドをえらく刺激したようで「俺がやるからこい」と言ってきた。
早速、ショップに行くと、既にカムカバーははずされ、まさにEXTのカムシャフトが出てくる状態だった。
クリスによれば、このオリジナルはかなり良い状態であるとのこと。すぐバ-トン社に送付することにした。帰りがけ、はずしたカムカバーとマフラーとデロルトキャブを持ってきた。これからの年末休暇の間に僕のできる範囲で清掃する。やっと始まったようだ。
エンジンO/Hの準備 (2013/12/01)
いよいよ今冬、ヨーロッパのTCビッグバルブ・エンジンのオーバーホールをすることにした。悩んだ末、SEVENS and ELANS (sevenselans.com)のクリスに依頼することにした。彼にもいろいろ問題はあるが、ロータスエンジンに精通してるのは、東海岸では彼である。ロータスのエンジンには豊富な経験はあるが、ヨーロッパをさわった経験はないので、ルノートランスミッションに関しては未知数だ、彼はNO PROBLEMとはいうが。
日本の方のために米国の旧車修理屋に関する豆知識を書いておく。修理代には、パーツ代と労賃が加算される。ロータスの場合、東海岸の正規デイーラーで修理を依頼すると、労賃は1時間120ドルである。今回、ロータス・ニューイングランドでは、僕に1時間当たり79ドルの労賃にするとオファーしてくれた。このデスカウントは客の少ない冬季だからである。たいへん魅力的な数字だ。SEVENS and ELANSは個人営業なので通年1時間80ドルである。日本と比較してどうであろう。高いのか安いのか興味があるところだ。
オーバーホールする理由は3っある。
1. オイル漏れがひどい。エンジン並びトランsミッション
2. ブローバイから白煙とオイルが異常に多い。
3. エキパイの付け根が老朽化して限界。
というわけで、始める前に私が用意できたのは、ヘッドガスケット、カムカバー・ガスケット、エキゾースト・ガスケット、タイミングチェスト・ガスケット、そして蓮車師匠からいただいた、ほぼ新品のMILDのスチール製エキパイとマフラーである。
まず、このエキパイとマフラーを耐熱性セラミックコートをした。かなり何層にもぬり、バーナーで火入れして塗装を固着させた。プロに頼めばエキパイの内外ともに絶対錆びない高熱コーテイングをしてもらえるのだが、自分でやってみたかった。やがて錆びはでるだろう。
クリスにはこのオーバーホールを僕も手伝うということを条件にした。さてどうなるか、僕としてはエンジンを勉強する願ってもない機会にしたいと思っている。明日クルマを移動する。
水温計の異常(2013/11/19)
日本から帰ってきて久しぶりに乗ってみた。やけに水温上昇が早いのが気になった。夏でも90度近辺で安定していたのが、晩秋のボストンを少し走っても100度を軽く超える。これは不具合だと思って調べた。
まずはエンジンからの冷却ホースの根元にある開閉サーモスタットを疑って、お湯の中に入れて温度を測りながら開閉をチェックしてみた。
なんだか、うまく開かないように思えたので、誰にも相談もせずに新しい82度サーモのを買ってつけた。だが治らない。無駄遣いだった。
さらにここでえらい失敗をしてしまった。このサーモスタット・ハウジングは2個のボルトでとめててあるのだが、経年で反りや歪みが生じているらしく、良く磨いて新しいガスケットをつけて装着しても、連結部から水が漏る。
液体ガスケットをつけたり取ったりしているうちに1個ボルト穴がなめてしまった。
少し大きめのボルトでなんとか仮締めできたが、エンジンオーバーホールのときにボルト穴の「ヘリサート加工」が必要になる。バカなことをした。
次にスミスのメーターの端子や配線がだめなのかと考え、ラジオ・ケースをはずして、その隙間から手をいれ、端子を磨いて付け直したが変わらなかった。
他に疑うパーツは、センダー・ユニットとボルテージ・スタビライザーだが、2つとも昨年交換しているので壊れるわけはないと思った。
そして、今度は目いっぱい走らせてから、ガレージでアイドリングを続け、強制的にラジエターファンをまわしてみた。すると水温計が115度のところで初めてファンが回った。温度センサーは昨年ラジエターと一緒に交換した新品。確か92度の温度でスイッチがオンになるはずだ。長いホースで後部から導かれているので、少し温度に誤差が生じていたとしても、水温計が115度というのは明らかに異常である。
こうなると、スミス水温計そのものの異常が疑われた。米国のヨーロッパ・フォーラムでこの症状を会員にきいてみると、ボルテージ・スタビと水温計のどちらかではないかということだった。水温計は針についているスプリングで温度の目盛り調節ができるとのことだった。邪道だが、メーターとセンダー・ユニットの間に抵抗を入れても調節可能との情報をいただいた。
困ったときの神頼みで、最後に蓮車師匠に相談したところ、わざわざ手持ちのスミス水温計を分解して写真を送付してくれた。有難かった。http://blogs.yahoo.co.jp/cwmos/64331735.html (お忙しいのに申しわけないです)。自分のでやればよかったのだが、端子磨いてセットしたばかり。再度ラジオケースをはずすことに躊躇していた。
水温計は極めて簡単なメカであり、そう壊れるれるものではないようだ。蓮車師匠の診断は、他のパーツが問題ないのなら、やはりセンダー・ユニット不具合ではないかということだった。「抵抗を入れるのは良くない」とのアドバイスもいただいた。
RDエンタープライズに純正のセンダーユニットはもうなかった。市販のユニバーサルのものに、M18のアダプターをつけるのだそうだ。アダプターだけで$25。DAVEBEANには純正が1個($19)だけあるということがわかった。
だが購入の前にもうひとつだけ試さねばならない。新品のセンダー・ユニットの不具合を疑うのなら、ボルテージ・スタビも疑わねばならないと思ったのだ。
僕のボルテージ・スタビはヨーロッパオリジナルではない。オリジナルは5端子で、アース端子がついている。しかしこれは既に製造中止だったので、エスプリなどに用いられている4端子のものに替えたのだ。
ボデーがアースになっている。僕はボルテージ・スタビの取り付けステーにアース端子を付け、太線でダッシュパネル下部裏側の固定ボルトに導いている。この配線をチェックするにはコンソールをはずさねばならない。これも面倒くさくて後回しにしていた理由だった。
電圧計をステーのアース端子とI端子につけて、エンジンをかけ測定した。正常ならばアイドリング時でもエンジンを吹かしても10Vを示さねばならない。ところが、この数値が全く安定しない。すさまじく揺れる。明らかにおかしい。
そこで、アースを疑った。ステーから別線でボデーにアースを取って再測定した。今度はきちっと9.98V。エンジン吹かそうがヘッドライトつけようがボルトは安定していた。アースの不良である。早速コンソールルをはずして、アースを取り直した。
および、同じ距離を走ってみた。今度はいつもように85度で水温は一定になった。結局一番簡単なところに落ち着いた。ずいぶん遠回りした。不必要にさわって失敗もした。勉強にはなったが。
クルマには性格がでるものだ。つくづく自己嫌悪。考えが浅いうえにすぐ行動する。蓮車師匠のように、思慮深くなれないものか。いつも反省だが。治らないだろう。何か将来大きな失敗をしそうだな。
アクセル・ブラケット(2013/9/01)
助手席側のカーペットの糊が取れていたのでなんとなくめくっていたら、アクセルブラケットがぐらぐらしていた。ボルトがない。
留まっていないのでアクセルを踏むと、ワイヤがケースからはずれる。これではやがて切れるのではないか。ワイヤがまだ破損していないことを確認した。(助手席は狭くてよくわからないが)さらにブラケットにはよくみると穴が3箇所あいている。
早速、蓮車師匠のブログを探して、正しいブラケットの写真を見つけた。この3箇所の穴はカバーの穴であった。ボルトのみならず、カバーもなかったわけだ。何でなくなるのか。こういうクルマに乗っていながら気づかない、前オーナーたちの「ずぼらな感覚」が僕には理解できない。
ボルトでとめて、アルミの板を貼って置いた。それにしても僕の仕事は雑だ。自己嫌悪!!
スプリングの交換(2013/8/10)
僕のヨーロッパにはどうにも運転しづらい点がひとつある。ドライバー席に座ると前方のノーズが沈むように感じるのである。後ろから見ても傾いているようには見えないようだが、運転席に座ると、平地を運転していても前方の左ノーズと右のノーズの高さガ同じではなく運転席側に傾いているように思えなんとも気持ちが悪い。
ショックは変えたばかりで車高調のAVOである。だが、いくら車高を調節してもその傾向はなくならなかった。そこで、いろいろ考えた結果、これは購入時から替えていないスプリングのせいではないかと思った。RDにもDAVE BEANにもAVO用に適合するスプリングはなかった。そこでバンクスに注文した。本国仕様のヨーロッパのAVOショックのためのスプリングの自由長と内径は前輪が7インチ。後輪が12インチ、内径が1.9インチである。
どういうわけか僕のヨーロッパの後輪のスプリングは短く(10インチしかない)、ジャッキアップするとゆるゆるになり隙間があく。良い機会なのでフロントと同じくリアスプリングも交換することにした。同時にスタビのブッシュとウイッシュボーンブッシュも交換してもらうことにした。
自分では出来ないので、すべてロータス・ニューイングランドに頼んだ。
インターネットには一般論として車のスプリングはもっとも頑丈な車パーツのひとつで10万キロでもへたらないという記述もあったが、はずしてみると、フロントのスプリングは左右同じパーツ番号なのに左右で長さが違っていた。
ヨーロッパという車の性格上、2人で乗ることは稀で、運転席側だけに体重がかかる頻度が高く、40年間つづくと、いくら硬いスプリングもそれなりにへたるのだと思われる。また車重がかなり軽く、とくにフロントスペースは何もない空っぽ状態なので、こういう影響を受けやすいのかもしれない。もしヨーロッパ乗りの方でおなじような感じを持っている方はスプリングも気にした方が良い。
その後、運転席に70キロの重りを載せて、車高調整とアライメント調整を行った。これは今回初めてみたが、コンピユーター制御でなかなか面白い。
最後に全体の車高を調整して終了。運転席にすわると確かに改善された。
前輪ガタ再発(2013/7/05)
ヨーロッパのドライバー席側の前輪ガタつきが再発した。ただねじを締めただけということだったので。蓮車師匠にポイントを伺ったので今度は自分でやることにした。まずタイヤをはずしハブの保護のキャップをドライバーでこじ開ける。
するとボルトが出てくるので、割りピンをはずす。すぐ折れたので新品を購入。
まずハブが回らなくなるまで締める。そして逆に120度緩めるのが良いそうだ(蓮車師匠のおしえ)。
ガタは簡単におさまった。作業明細書にはこの作業が100ドルとなっていた。この程度で100ドルは高い。この緩みはやはり寿命ではないのかと思う。あるいはドライバー側席の車高の沈みによる負荷と関係してるのかもしれない。
ブリティッシュ・カー・デイ 2013(2013/6/23)
ボストンのブルックライン町にある「ラルツ・アンダーソン自動車博物館」で毎年6月に開かれるブリティッシュ・カー・デイに参加した。
直前にリア・ブレーキ・シリンダーが寿命となった。ドラムブレーキには全く知識がなかったのでどうなることかと思ったが、無事治った。当日は33度と真夏日。150台を越す英国車が集まった。ロータスはいつものようにマイナーで旧エランは僕の入れて3台。旧ヨーロッパも僕のをいれてわずか2台。エリーゼは5台。エキシージが1台。エボラが1台。旧エリートが1台。1960年セブンが1台。そして1995年の極上のエスプリ1台であった。
1960 ロータスエリート
圧倒的に多かったのが、ジャガーとサンビームとMG。同じ英国車愛好者といっても日米には差がある。今年の圧巻は1967年オ-スチン・ヒーレ3000MkIIIのキット車。ぴかぴかのフォードのエンジン搭載で美術品のように美しかった。しかもFOR SALE。値段は恐ろしくて訊けなかった。
1967オ-スチン・ヒーレ3000MkIII (For sale)
僕の個人的な感覚では、ロータス・エリートのフォルムはこの世に数ある車のなかでも、328GTB, デイノ 246、ジャガーEタイプ、250GTOと並んで5指にはいる美しさと思っている。だがこの車は色が難しい。このショーの間、ずっと何色が最適なのか考えていた。この優雅な個体を包む色は赤でもなければ白でもない。僕は淡いクリーム色か濃いメタリックグレーだろうという結論に達した。
僕が昨年手放した512TRのオーナーが来場していた。
姿を見たとたん、元カノが現カレと歩いてるのを道で偶然みかけたときのように(実際にはそういう悲惨な体験はないが)少し切なくなったので、後ろ姿をそっと目に焼け付けただけにした。これからも大事にしてもらってください。
結果、僕のヨーロッパはロータス部門で、べストロータス賞をいただいた。がんばってブレーキ直してよかったとしみじみ感じた次第。
¥
リアブレーキ固着 2 (2013/6/21)
ドラムブレーキに関しては僕にはあまり知識がない。まず、おそるおそる本体を分解したり、インタネットを通して基礎知識を頭に入れた。そして近くのパーツ屋から使えそうな汎用品を買ってきた。まずブレーキシューのスプリングや留め金は似たサイズのものがあった。
さらにねじれて変形したハンドブレーキ・レバー・ブーツにも使えそうな汎用品があった。
次にRDからTCS用のブレーキシリンダーのセットとシリンダーをスライドさせる台座とゴム製の保護ケースを購入。
ドラムとハンドブレーキレバーは錆びを落として、亜鉛コートした後、黒塗料でカバーした。
取り付けは分解の逆なので、さほど難しくなかった。ハンドブレーキのブーツもうまくついた。
だが、ここで問題が発生した。パイプのオイル注入口がシリンダーに固着してとれないので、新しく購入しようとRDにきいたら、「在庫はない」という返事。そこで次にDAVE BEANにきいた。RDのパーツマニュアルにはこのパイプのパーツ番号が書かれててあったので、DAVE BEANにもこの図を示して、「リアのブレーキ・パイプ」といって注文した。ヨーロッパには長さの異なるブレーキ・パイプがいくつか付いているので、リア用で長さが「大体32インチのパーツ」であると念をおしたのだ。
この時点で僕は大きな誤解をしていた。DAVE BEANはすぐ送るといってくれたので、僕はヨーロッパ用の純正のブレーキ・パイプの在庫があるものだと勝手に思い込んでいたのだ。翌日到着したブレーキパイプを取り付けようとしたところ短くてどうやってもはいらない。
オリジナルのブレーキ・パイプの長さを正確に測ってみると33インチある。KENに「送付されたパイプは短いぞ」と文句をいったところ、「お前が32インチと言ったから32インチをつくったんだ」という回答。在庫があるわけでなはなく、彼が自作してくれたものだった。それならもっと正確なサイズを言えばよかったと後悔したが、もう時間がないので今度は少し長めの34インチを注文した。
ところが、今度は少し長すぎた。注意深く折り曲げてなんとか連結した。エアー抜き口にビニールホースをつけて小さな瓶にオイルを入れて、ブレーキペダルを静かに何度もふんでエア抜きをして終了。ブレーキは効くようになったが、シャシー中央部にあるブレーキパイプの連結口からオイル漏れである。何度も試行錯誤してやっと原因がわかった。
この手のリジッドなパイプの場合は、まず最初にAナットをきちんと連結してからBのねじを締めていかねばならないのだ。僕の場合、少し長いものだから合わせやすく作業性も良いBねじを先に締めてからAを締めていた。それで微妙にゆがみと隙間が出来て漏れていたようだ。これで解決した。今回もいろいろ学びました。
Aナット
Bねじ
リアブレーキ固着(2013/6/15)
退院してはじめて長距離運転をしようとガレージから手で押してだそうとしたがびくとも動かない。ハンドブレーキも解除、ニュートラル状態である。おかしいと思って後輪左右をそれぞれジャッキアップしてタイヤを回してみた。運転席側は回るが、助手席側が完全にロックされていた。ブレーキオイルのブリードねじを回してオイルを出そうとしたがオイルがでてこない。
ハンドブレーキをかけても効かない。左側ドラムブレーキシリンダーが作動していないようだ。ということで、まずドラムをはずそうと試みた。ヨーロッパドラムは小さなねじ一本で留まっているものだが、ブレーキシューがドラムに押し付けられでブレーキがかかっている状態なので取れない。それでも、だましだまし何とかこじ開けた。
41年間空けたことがないのでどんなに錆びているかとであろうその中は想像したよりはきれいな状態であった。
ドラムブレーキは簡単なメカなので固着はシリンダーの不具合しか考えられない。交換することにした。ブレーキシューは中央にある2つのスプリングねじをラジオペンチでまわせば簡単に取れた。後の取り付けのためにスプリングの装着位置に番号をうっておく。
次にハンドブレーキのピンをとってはずす。
だが、問題が起きた。シリンダーへのブレーキラインの連結部が完全に固着しており取れない。何度もトライするうちに角が丸くなってなめてしまった。
こうなってはたとえ取れても、ブレーキラインは交換するしかない。シャシーの上に左後輪へ続くブレーキラインのコネクター部分があるが手は届かない。潜って下からやっと手が入るぐらいの狭い場所なので緩められるかどうか心配だったが何とかできた。あとは部品の調達である。ブリテイッシュ・カー・デイまで後1週間。果たして動くか?
退院(2013/6/11)
ヨーロッパの修理が終わったので取りに行った。
前輪のガタは単なるボルトの緩み立だったそうですぐ解決。ステアリングのガタは軸を押し込んで解決とのこと。
アライメントは結構てこづったようだ。やはり車体がドライバー側に少し傾いているそうだ。だが、アライメント調整でこれほど変わるかと思うほど走りが改善された。車は4つの車輪が適正な位置で的確に動作して、初めて本来の性能を発揮することが出来るわけで、四輪トータルのホイールアライメントの調整が必要なことを体感した次第。エランも調整することにした。
入院 (2013/5/14)
最近ドライバー側の前輪が「がたつく」ことがわかった。ボールベアリングの磨耗ではないかという診断だった。ヨーロッパの泣き所は後輪のリア・ハブということだが、僕の場合は全然問題なく、その替わりに前輪というわけだ。そしてステアリングがわずかだが上下する。さらに、運転席に座ると感じる「車体の右下がり」。
これらをまとめてチェックしてもらうためにロータス・ニュイングランドに入院させることにした。
ここのマネージャーのステーブは以前フエラーリ・ニューイングランドにいた方で、512TRでずいぶんお世話になったが、2年前にロータスに移籍した。
本当ならSEVENS&ELANSのクリスに頼むところだが、時間がないということで、ステーブに泣きついた形になった。ちょうど3週間日本出張するのでその期間に修理してもらう。
シートの張替え(2013/01/02)
エンジンのO/H中にヨーロッパのシートの張替えも頼もうとおもって、BANKSから昨年、張替え用の合成皮革のキットを購入しておいたのだが、O/Hがいつまでたってもはじまらない。シートを良く見てみると、ヨーロッパのシートは分離型で肘掛以外は3つのクッションとヘッドレストを単にはめ込むだけ簡単なものである。シートカバーは既に切ってあるのだから頼む必要もないと思い、シートの張替えに関するYOUTUBEをいくつか見て勉強した。
オートミール色は汚れがめだつので10年もたてば黒ずむ。また手入れしていなかったようで表面が「かさかさ」である。洗っては見たが経年劣化はなおらない。助手席は差ほどでもないがドライバー席のお尻と背中部分の劣化がひどい。
結論としてまずはドライバー席だけを自分で張り替えることにした。鋲うち(リベット)は持っているし、必要なもので手元にないものは張替え用のステープル(3/8”)だけなので、まずこれを購入した。
鉄製のシートの枠はさびがひどいので、亜鉛コート塗料をぬった。
シート
スライドのレールはさびていたのでさびを落とした。
またクッションは弾力がなくなっているので、薄手のクッションを必要に応じて上張りすることにした。
注意するところはしわがよらないようにすることと、できるだけ糊をつかわないで織り込んで中に入れて弾力を保持するようにする2点である。お尻と背中のクッションは下部を厚紙で補強した上で、少し厚めのフォームをいれた。
お尻部分のゴムプロテクターはアーマオールで磨いてから、金具は亜鉛コートした。
見えない部分はへたっぴである。何しろ僕は雑なO型なので手をぬいた。
完成である。すわってみると、お尻にあたるのクッションがシューと沈む。肉厚になったせいで身体のホールド性もよくなった。視界が少し高くなった。
機械式燃料ポンプの交換 3(2012/12/27)
パッセンジャー側のタンクからの燃料ホースをはずす。オリジナルはクランプもついていなかった。
新しい1/4”ホースに付け替えた。
燃料ポンプとフイルターとドライバー側の燃料タンクは配線図に従ってホースで連結した。
ポンプの装着台はFRPなので、強化のために裏表からメタルの板で補強することにした。
さらに、走行中に何かにぶつかってホースが損傷する危険もあるので、両側にハードウエア・ショップから金網を買ってきて、開いてる形に切って簡易型の囲いを作り装着した。
燃料ポンプの電源ワイヤーは後部からギアのケースに通して、センターコンソールからダッシュボードの下のヒューズボックスのACC電源に連結した。
アースはエンジン内のボデー部分につけた。
イグニッションをまわすと「カチカチ」という音が消えると快調に始動しました。
機械式燃料ポンプの交換 2 (2012/12/16)
早速そろえたのが、FACETの燃料ポンプ、フイルター、めくらぶた、メタル連結管(1/4”)、ホースなどである。 英国と違い、米国では1/4”から5/16”の異型コネクターは手に入らない。
今回、DAVEBEANが送付してきたフイルターはプラスチックでサイズは1/4”だったので、アウト側に熱で縮むチューブを2枚重ねでつけエポキシ糊で固定することでサイズを拡大してから5/16”ホースに連結させようかと思ってホースを組み込んでみた。
しかし、連結管をメタルにしておきながらフイルターがプラスチックというのは矛盾だし、この場所はエンジンルームとはいいがたく。何があるかわからないので、アルミ製のFRAM G3606(BMW用)にすることにした。サイズは5/16”である。
まず、機械式燃料ポンプをはずした。ねじは手で簡単に回せた。緩んでいた?危ないところだった。インシュレーターは販売されていないので、そのまま使うことにして、ガスケットを間にはさんで「めくらぶた」をした。DAVEBEANはインシュレーターを挟むことを想定しておらず。インシュレーターを挟む場合は、付いてきたボルトは短すぎた。5/16” 24(COARSE)の長いボルトを新たに購入してそれでつけた。
次に、デロルトキャブ側に5/16”のホースを装着。
その後に、燃料タンクからガソリンを除いた。そしてタンクの下部にある出口から連結管を全部はずした。燃料ポンプの置き場所は結局、デスビの付いている壁がコの字になっている下部の平らな場所にした。ドリルで穴を開けた。何か頼りなく薄いFRPなので装着には強化が必要かもしれない。
機械式燃料ポンプの交換 1 (2012/12/14)
そうこうしている間に、機械式燃料ポンプの導入口がなにやら湿っているのに気がついた。ナットをはずしてみると、何か不安定でぐらぐらである。これはプッシュ式で連結しているだけである。いずれ駄目になるだろう。
米国のロータス・ヨーロッパ・フォーラムでは、多くのヨーロッパ乗りの方々が機械式燃料ポンプの位置が位置だけに火災の原因になることを指摘している。実際に美しいヨーロッパを全焼させた人の話も掲載されている。幸い僕のヨーロッパはエンジンのかかりは問題ないが、このなんとも情けない燃料ホースの連結を見るとやはり電磁式に交換する時期が来たと判断した。
まず、少しリサーチした。その結果、電磁式燃料タンクやフイルターやデロルトのキャブ導入口のサイズなどを考えると図のような連結になる。
ジャッキアップして燃料タンクとの連結部分も見た。現在のプラスチック製のT字管はメタル製に替える。また、電磁式燃料ポンプは新たに,デスビコイルの下部、タンク横にある仕切り版に穴を開けて装着する。現在の燃料ポンプのはずしたあとは、DAVE BEANからめくらぶたを購入してふさぐことにした。
イグゾースト・ヘッダー/マフラーの塗装( 2012/12/10)
米国のロータス・レストア・ショップの「のんびりさ」は日本では考えられないものだ。たとえば、僕がお世話になっている岐阜の旧車専門レストア・ショップ「修理屋」などは、きちんとスケジューに従って迅速に対応してくれる。それとくらべたら、のんびりというより、ルーズである。ボストンでたった一軒しかない旧車ロータスの修理専門店「セブン・アンド・エラン」も例外ではない。10月の後半にエンジンのO/H開始だったのが、12月の中になってもまだ入庫OKの返事がない。催促しても「お前のことは忘れてはいない」というメールがときどきくるだけである。
こっちは、それに併せて、今春,蓮車親爺さんからいただいて大切に運んできた、MILDのヘッダーとマフラーを再塗装して、箱につめて準備していたのに肩すかしである。
このままでは来年にずれ込むのは必至である。1月にはいり雪が積もれば運ぶことはできない、ロータス旧車のりにとって米国東海岸は砂漠である。
カロマットと3点シートベルト(2012/10/30)
今回、日本に行く機会があったので、KAROブランドのマットを購入した。やはり落ち着いた風あいがある。
また、オリジナルのNON RETRACTABLEの3点シートベルトがかなりやれてきているので、市販のシートベルトに交換した。僕のヨーロッパはオリジナルを維持する方針なので、スポーツシートベルトはつけない。
ハザードシステムの新設 2 (2012/10/30)
問題はハザード・スイッチである。もともと装着されていたロッカー・スイッチは多接点のオンオフスイッチで、かなりさびている。中をあけて接点を磨いた。
このハザードではオンで4つの端子(A, B, C D)が同時につながらねばならない。しかし、左と右の接点を結ぶコネクターが破損していたので、短い銅線を「はんだ」でとめてA とBを架橋した。
最終的に、以下のように配線端子の位置を決めた。そしてロッカー・スイッチ表面はつやなしの黒エナメル塗料で吹いた。
A:左ハザード・ランプ B:ハザード・警告ランプ C:右ハザード・ランプ D:電源
さらに電源とハザード・スイッチの間には市販の「棒ヒューズ」を入れておいた。ダッシュ・パネルのランプは単なる色つきの筒だけだったので、市販の赤LEDランプを購入して、少し回りを削ってはめ込み、1本の線を端子に接続させ、もう一本はアースとした。
すべがうまく配線できた。ハザードランプはきちんと作動した。また、ウインカーも全く問題なく作動することがわかった。この方法では、ウインカー用フラッシャーを流用するので、動作が少し遅くなるという報告もあったが、気にならない。電気音痴の僕だったが、半年かかってやっと完成した。
ハザードシステムの新設(2012/10/29)
僕のヨーロッパは72年の本国仕様なので、ハザードがついていない。ハザードを使うことはあまりないと思うが、米国仕様には標準装備でついているので、なんとか自作しようと考えた。前にいろいろ調べて、トライしたのだが、途中で配線を焼いてしまい断念した。半年間はおとなしくしていたが。「なんとしてもハザ-ドを」という気持ちがまたわいてきた。
前回の失敗の原因のひとつは、ヒューズ・ボックスからバッテリーへの接続端子を新た作る方法を取ったからだ。これで誤配線してしまった。
蓮車師匠からはホールデンから販売されている、ルーカス製のキットを購入することを薦められたが、どうしてもダッシュパネルについているロッカー・スイッチとウオーニング・ランプを使いたかったのでやはり自作することにした。ランプとハザードスイッチの英語の表示はあくまでも願望である。機能はまだない。
今回はいろいろ調べた末、以下の配線図を参考にした。一番簡単でお金の掛からない方法として、以前、オールドタイマー誌に掲載されていた配線図をみつけた。配線図A(上段)がノーマルのウィンカー・スイッチの配線。この配線とフラッシャーをそのまま流用する。配線図B(下段)の赤い配線部分が、ハザード用に追加する部分だ。
ようするに、ウィンカー・スイッチから出ている3本の配線(右ウインカー、左ウインカー、そして電源)を各々並列、二股配線にして右、左の接点を通電させて両方のウィンカーを同時に点滅させるだけである。
ポイントは、ハザードのスイッチである。オフの時には左右のウィンカーの接点は通電していないことが重要なので、このことに注意さえすればよいはずである。また、通電してるときのみランプが点滅するようにランプ用の端子も用意すればよい。
二股配線はルーカスのターミナル・ビュレットとターミナル・コネクターがあればできる。この特殊ビュレットを「かしめる」ペンチはもっていないので、「半田ごて」でしっかりとめることにして必要な二股配線をつくった。
キルスイッチ装着(2012/8/23)
ヨーロッパにもエランと同様に、簡単にバッテリーの電源をオン・オフできるキルスイッチをつけたいのだが、オリジナルのUKからのバッテリー端子ケーブルがねじ止めになっていた。
日本で購入したキルスイッチはバッテリーコードが丸型端子用なのでケーブルの交換が必要になり面倒なのでやめていた。
最近、amazon.domでねじ止めの穴が開いているキルスイッチを見つけたので早速購入して取り付けた。
小さな修理や点検時にいちいちねじをはずすのが厄介であり、再接続のときに火花が出るので危険だった。このキルスイッチ装着で大いに助かる。
クラッチ・ジャダー防止ブラケットの装着(2012/7/06)
早速テストしてみた。その結果、ゆっくり半クラにしても全くジャダーはおきなくなった。すごい効果だ。苦労したかいあった。蓮車師匠に感謝!
クラッチ・ジャダー防止ブラケットの装着(2012/7/05)
僕のヨーロッパは1速の半クラ状態で車体がガタガタすることが多い。いわゆるジャダーが発生するのだ。蓮車師匠にうかがったところ、73年のTCからは、それを防止するために、クラッチ・ケーブルがシャシーではなくエンジン本体に装着されており、そのための取り付けブラケットが標準装備されているということだった。
このブラケットはエンジンブロックに2カ所ネジ止めするだけだ。エランのオルタネーターブラケットの取り付け位置になる。
要は、シャシーに装着されたクラッチケーブルとエンジン部分が共振してガタガタするから、最初からエンジンブロックに連結することで共振を防ぐメカなのだろう。僕のクラッチケーブルはシャシーについているが、エンジンブロックに2穴あるのでたぶんブラケットは装着できると思われた。
すぐBANKSに聞いたところ、ブランケットの在庫があるとのことだったが、UKからの空輸時間を考えて、DAVEBEANにも聞くと、「すぐ作ってあげる」とのこと。ここでDAVEBEANに注文したのが間違いだった。
いままでもDAVEBEANからのパーツが合わないことがあったのだが。ショックアブソーバーでも痛い失敗しているのに。僕は本国仕様と米国仕様は違うということをすぐ忘れてしまう悪い癖がある。
今度もまず、送付されてきた取り付けボルトサイズが全く違った。送付されたのは13mmだが、僕のヨーロッパは3/8-16だった。
さらに、2箇所目のねじのすぐ上に、ギアシフトレバーからつながる長いトランスミッションアームの棒が伸びていてねじがはいらない。やむを得ず、切って短くして装着しなければならなかった。
取り付けてみたが(B)、写真のように、オリジナルの位置(A)とかなり違う。曲げ方の角度が足りないのだ。案の定、余計にカーブする分だけケーブルの長さが短くて足りなくなった。
DAVEBEANのKENにきいてみたら、「自分はお前が送ってきた写真を見て作った」という。バンクスにきくと、ストックにあるものはTCならどの年代のものにも合致するとのこと。すごくおかしい。
いまさらしょうがないので、ハンマーでこのブラケットを曲げた。これは大変な作業だった、とにかく固いのだ。
なんとか角度をあわせて曲げて装着した。今度はオリジナル位置にかなり近づいたので、長さは足りた。あとはケーブルの針具合を調節して終わりであった。
こんな簡単なもので「ジャダー」は解消されるのだろうか。これでだめならクラッチO/Hしなければ治らないと修理屋の長沼さんには言われている。どうなるか。明日試してみることにする。
Mild steel製エキゾースト&マフラー一式(2012/6/27)
今回、日本出張の折、名古屋近郊の蓮車師匠のガレージを訪ねた。そのガレージは私には宝箱であり、1日いても飽きない場所なのである。今回、蓮車師匠からヨーロッパTC用の貴重なMild steel製エキゾースト&マフラー一式をいただいた。カタチが一様でないので、どうやって飛行機に載せようかと迷ったが、クッションをいれた大きめバッグで無事運んだ。これはこの秋に行うエンジンのオーバーホールのときにシルバーコーテイングを施してから取りつける予定である。
サン/バイザーの作成(2012/5/02)
今まで、ヨーロッパのサンバイザーは全く気にもしていなかった。しかし、だんだん下がって、目にふれるるようになってきてからというもの気になりだした。一見、普通なのだが、取り外してみると、中のスポンジはもう消失しており、残骸が40年の歴史を物語っていた。
普段あまり気に留める場所ではないが、これは尋常ではない。まず骨材をよく洗ってから、ボール紙を切って両面からネルの布で包みこむ3層構造として、両面テープをつけたオフホワイトの人工レザーで覆ってから縫い付けた。
ボデイのとめる部分もかなりゆるんでいたので、新しいワッシャーを強化し、下がることがないようにして完成した。もう気になることはない。
オイル・キャッチタンクの自作 (2012/5/01)
市販のキャッチタンクを装着して走っててみたが、やがてオイルゲージからオイルの吹き戻しが起きてきた。キャッチタンクに白っぽいグリース状のオイルがたくさんたまっている。
イン・アウトの穴をみると確かに詰まっている。購入したタンクには、小さな出入り口しかついていないので、このような粘ちょうなオイルだと荷が重いのだろう。いままではエアフイルターの中に戻されていたので何とかなっていたようだ。
蓮車師匠のコメントでは、オイル下がりの可能性が高く、いずれエンジンのO/Hが必要になるということである。この秋にエンジンの O/Hをする予定だが、せっかくのシーズン到来なので、この夏はだましだましでも何とか乗らねばならない。
何が問題かというと、キャッチタンクのインの穴の大きさである。これが大きくなければならない。内径1センチ以上はいる。また普通のオイルと違い、水分を含んだ、かなり粘ちょうなオイルなので、流れ落ちることはない。むしろ、空間に吐き出すカタチになるので、できるだけ広い空間が必要になるだろう。さらに、オイルを吐き出した後、ガスがそのオイルに邪魔されずに抜ける形にする必要もある。これを満足させる市販オイルキャッチ・タンクはあるが、大掛かりで、かなり高価である。この夏を乗りきるだけにはtoo muchである。
そこで、オイルキャッチタンクを自作することにした。
内径が1.5センチぐらいの太いホースにすると全く問題ない事は確認しているので、粘りあるオイルがガスと分離されて溜まり、ガスがスムースに抜け、かつ、そのオイルを回収できるようなタンクを求めて、ハードウエアショップを何軒も回った。そこで、見つけたのが、写真の導入パイプである。これは水道屋さんが使うらしい。しかも回収口もついている。3ドルと安い。早速、組み立ててみた。
これで少し走って見て、オイルの性質やたまり具合などを検証してみることにする。
オイルキャッチタンクの設置( 2012/4/25)
K&Nフイルターをつけたことにより、ブローバイホースの行き場所がなくなった。ブリ―ザフイルターをつけて、大気ににがそうとしたが、オイルがつまってしまい、圧力が大きくなって、オイルゲージから吹き戻しが起き、エンジンルームがオイルまみれになった。オイルがそんなに排出されること自体が問題なのだが。やむをえず、オイルキャッチタンクをつけることにした。JEGSのSteeda という商品である。
ヨーロッパはスペースがたくさんあるので取り付け型にした。結果は排気ガスの色がなくなった。少し長距離で確かめてみる。
オルターネーターとプーリーの交換(2012/4/23)
以前から、エンジンのかけはじめに、オルターネーターとプーリー部分から「カタカタ」という音がする。さらに、オルターネーターのターミナル部分がが後ろのトランクにあたって、ターミナルコードが変形しているのが気になっていた。これが純正なはずはないとは思うのだが、35Aのvaleoのva101という製品がついている。
ときどき、低回転数で赤ランプが着くので、なんとなく、寿命ではないかという感じもしていたが、まだ動いているので躊躇していた。そのとき、EBAYでトライアンフについていたオルターネーターを75Aに容量アップしたリビルト品で、ヨーロッパにも合うのが出品されていたので、思わず購入してしまった。色は黒でなかなか良い。何よりも長さが3センチも短いのでもうトランクにあたることもない。
こんな話を蓮車師匠にしたら、何と、蓮車師匠から思わぬプレゼントがあった。あの有名な旧イノウエオートのニュースピードエンジニアリング製の軽量プーリーを連車師匠がゴールドのアルマイト加工した、この世でひとつのプーリーを下さるというのである。到着したので早速取り付けた。ベルトも新品にした。
カタカタ音はすべて消えた。回転するローター部分は、ブロックに当たる寸前でぎりぎりセーフであった。あぶなかった。
そしてトランクにも全くぶつからない。
近々、走行して何が違うのか体感してみようと思う。本当かどうかわからないが、容量アップすると、低速回転が安定するとか、書いてあるので。その走りを実際にチェックしてみたい。理論的に変わるわけはないとは思うが。
JPSエンブレムの入荷(2012/4/08)
UKからJPSのセンターキャップエンブレムが届いた。4個一組ということを知らずに、4個オーダーしたら4セットで16個もきたので、いろんなところにつけてみた。
JPSではないが、まあお遊びということで。ところで、JPS仕様は本国では品薄なのだそうだ。多くのJPS仕様が米国に輸入されたそうだ、一部、そこから日本に流れているようだが、僕はJPSでストロンバーグで左ハンドルはどうしても乗りたくない。エランで懲りている。
オイルフイルターの不適合(2012/4/08)
ヨーロッパのオイルがあまりにもよごれているので交換することにした。(異常なほど汚れている)フイルターはFRAMのカタログでは米国製のPH3521ということだったので、これを使うことしたが、買ったはいいが、見るからに太身で、あわないのではと疑ったが、案の定、ゴム部分のサイズは合ってるが外形が大きすぎてオイルパンの端にあたりはいらなかった。現在装着されているのはもっと細身である。やむをえずフイルターは替えずにもどした。米国仕様と本国仕様ではオイルパンの配置が異なるのだろうか。不思議だ。
蓮車師匠の情報でエラン用のが合うということなので。次回はそれを使うことにする。
オイルはポルシェと同じカストロール合成オイルを使った。旧車には合成油はだめということきいていたので、いままでは鉱物油だったが、インターネットなどの情報では多くの方が合成油を使っているのでそれにならった。
オイル漏れ(2012/4/08)
高速を走っていてふと後ろを見ると、エンジンから白煙が出ている。ストップしてみてみるとブローバイのブリーザーフイルターからとヘッドのあたりからである。
しかもエギゾーストパイプの1本の連結部にオイルがにじんでいる。これはオイル注入口からのもれが下におりてきたものではないようだ。
回転数を上げると強くなる。アイドル時は問題ない。回転数を上げ下げして煙の出所をみると。どうもエキマニの連結部分とカムカバーのある箇所からリークしているようだ。
まずは応急処置として液体ガスケット(700度まで使えるウルトラカッパー)を塗って漏れが止まるかどうかをみることにした。
白煙は止まった。しかし連結下部からのオイルもれはまだとまらない。ジャッキアップして下から見てみると、別のエキマニの下部から漏れている。ボルトを増し締めして、その部分をアセトンで脱脂してからおよび、ウルトラカッパーを大量につけた。
これは恐らくベストの液体ガスケットだが、24時間放置しなければならないこと、品のない色が欠点である。また、オイルパンからも少しオイルがもれていた。2本のナットが緩んでいた。増し締めして止まった。
またブリーザーフイルターにはオイルがかなりつき、排気の効率が悪くなり、さらに白煙が増加しているようなので、フイルターを一時的に取り外し、排気口をマフラーの近くに移設して様子を見ることにした。いずれにしても「オイルキャッチアップタンク」をつけなければならないだろう
これらの処理でオイル漏れは完全に止まった。だが、これは応急処置だ。やはりカムカバーを取ってエキマニもはずしてきちんとオーバーホールが必要のようだ。
リアハブチェック(2012/4/01)
多くの方からの「ヨーロッパの泣き所は左のリアハブでよく緩む。ほっておくと車輪がとれるかもしれない」という体験談を読んだので、いそいで左後輪をはずしてチェックした。緩んではいなかったがワッシャーが曲がっていた。良くわからないが、がたつきもないのでよしとした。車輪が取れた体験談を読んでから、こわくて100K以上出せなくなった。
米国の「ロータスヨーロッパ・フォーラム」で話題になっているギア・オイルにレッド・ライン社製のMT90がある。100%合成オイルで硫黄分がかなり多いそうだ。僕もこれを使ってみることにした。ネットでしか買えないものだが、本日到着した。
前のギアオイルはルーカスだが、結構汚れていた。ギアチェンジまだまだ不慣れのせいだろう。
MT90は2Lほどはいった。慣らし運転をしたが、シフトは断然滑らかになった。正解だった。エランには使えないのだろうか?
いろいろなヨーロッパオーナの話を聞くと、ヨーロッパのオイル漏れは構造上、やむを得ないので、漏れた分を足すなりしてつきあっていくしかないという意見もあった。僕のヨーロッパのギアボックからオイルがにじみ出していたので、交換時にだめもとで増し締めしてみた。するとひとつのボルトが緩んでいることを発見。これを締めたら滲みが留まったようだ。
遠出 (2012/3/18)
気温が22度を越えた日曜の午後、交換したラジエターやエアフイルターをチェックするために、30キロほど離れたナショバスキー場までドライブした。最近やっと1速と3速の感覚がわかり始めてきた。スキー場には雪は残っていたが誰もいなかった。
車内温度は30度近くになっていたが、水温はといえば80-85度をキープしていた。交換前は寒くても90-95度だったのでやはり新しいラジエターの効果だろうか?
ただ、気になったのはアイドリングの回転数が下がったことだ。これは吸気効率がよくなって混合気が薄くなったのかなどとおもったりもしたが。正直なところ、ベストのヨーロッパに乗ったことがないので、これがどの程度なのかわからないのがちょっともやもやする。
2012年初乗り(2012/3/12)
気温が20度を越えて春の陽気なので今年はじめて試運転した。距離、トリップメーターは動くことを確認した。スピードメーターもok.4速からの吸気音がかなりよくなった感じがする。
エアーフイルターの変更 3 (2012/3/12)
簡単に装着できた。アクセルリンケージもうまくつけれた。
ここで問題が発覚。K&Nにブローバイガスの接続穴がない。Davebeanにきくと、穴を開けるかキャッチオイルタンクをつけてガスとオイルを分離してガスを戻すことを薦められた。そこで蓮車師匠にうかがったところ、ブリースフイルターなるものをつけることを薦められた。オイルを回収してガスは大気に流すわけだ。さらにエランS3をお持ちのデトロイトのイーストマンさんにうかがったところ、大気にながしているとのこと。僕もそうすることにした。
蓮車師匠からK&Nのブリースフイルターとロータスツインカムのブリースエルボーを紹介されたが。時間がかかるので自作した。またフイルターも汎用品を使うことにした。
完成した。エンジンルームはなんとなく機能的になった感じがする。エンジンをかけてみた。音は大きくなっているが、いい音になったかどうかは正直あまりよくわからない。
エアーフイルターの変更 2 (2012/3/10)
まずオリジナルのエアーダクトとフイルターボックスをはずす。そして4個のファネルをはずした。次にアクセルワイヤーリンケージをはずしてエアー吸入口ハウスを取り外した。
Davebeanから届いたバックプレートとアクセルのばねは少しオリジナルと固定部位の方向が違う。ばねの穴に入れる方向が逆である。オリジナルを使うことにした。
エアファネルはガソリンで洗ってから、米国製の「ピカール」みたいなメタル磨きで磨くと結構つやが出てきた。
Davebeanからのバックプレートにはアクセルワイヤーの通るチューブが固定する隙間がないためドリルで大きく開けなおした。
まわりを清掃していよいよ取り付けにかかった。
エアフイルターの変更 1 (2012/3/07)
僕は車を買ったらエアフイルター、タイヤ、ホイールそしてステアリングを好みのものに交換という、一番イージーなドレスアップチューニングを若いときからやってきたので、馬鹿みたいであるが。この歳になっても癖が抜け切れない。
ヨーロッパのオリジナルエアフイルターは時代がかった古めかしく醜いエアフイルターダクトがデロルトキャブの吸入口を覆い、そこから伸びたホースによってエアクリーナーが後部の取り外し自由のトランクに固定されている。そのため。見た目のみならず、エンジンルームのちょっとした手直しにもいちいち取り外しが必要で非常に操作が煩雑になる。
そこで蓮車師匠に相談したのだが、師匠は「音がうるさくなる。ノーマルが一番」ということだった。さらにオリジナルを交換する場合には大きな問題がある。ヨロッパではアクセルリンケージが着いたプレートがダクトのハウジングを兼ねているので、もしオリジナルを交換するとなるとこのアクセルリンケージを装着するための特殊なバックプレートが必要になる。蓮車師匠からの情報では日本では以前、三貴プリパレーションで売られていたということだったので聞いてみたが返事はなかった。米国ではRDにもDavebeanにも、英国ではバンクスにもなかった。ところが、Davebeanの kenに相談したところ、作ってあげるということで手書きの図面まで送ってきてくれた。これに感激して早速頼み、フイルターはkenがお奨めのK&Nにした。
スワールポットの交換 (2012/2/10)
購入時から鉄製のスワールポット(リザーバー)の内壁がさびでぼろぼろにくさっており、指でさわると茶色の泥がおちてきた。そこで新品に交換することにした。バンクスから届いたのはアルミ製のようだ。
オリジナルをはずそうとしたが固着してとれない。WD40を吹きかけてもだめ。2本中1本は回してるうちに根元から折れた。こちらにはライター型の簡易ガスバーナーがあるのでそれを使って部分的にボルト周辺を加熱して何とか上の一本もようやくとった。
新しいアルミ製を取り付けた。連結用のゴムホースも同時に交換した。
リアタイヤハウスの裏側を見るといろんなボルトが出ている。そのほとんどが錆びていたのでこれもできるだけるだけに新しく交換しておいた。こんなにいろいろ面倒見られてヨーロッパも幸せだろうなとわれながら思った。
タイヤハウスが少し赤く見えるのは、この車が前前オーナーによって一度オリジナルの黒を赤く塗装されてたからだ。ヨーロッパを赤くするセンスは僕には理解不能である。
いままではスワール出口からホースがそのまま外にでていた。せっかくなので化学実験用の溶媒洗浄ボトルを装着してクーラントの戻りをためる補助タンクにした。
ラジエターの交換 3 (2012/2/08)
ラジエターホースの連結部もかなりさびている。まずさび進行防止の亜鉛塗料をぬった。そうして、水道水を勢いよく循環させて中を洗浄してさびを流しだした。
バンクスから新ししいラジエターが到着したがどう見てもリビルト品にしか見えない。30ポンドで古いのを下取りするということだったので、これはどなたかの下取り品をリビルトしたものなのだろう。まあコアが改良されているらしいのでこれでよいとしよう。
はずすのと同じように入れるのも一苦労。ボルトの位置が微妙に違うので穴を開けなおした。どうしても隙間があくので窓枠用のシールを中に挟んだ。背面のグリルもとりつけた。ホースも微妙に長いので切って調整。
同時に80度前後で始動するサーモスタットに交換。英国車ジャガーと同じものだと初めてわかった。
何とか完成した。
ラジエターの交換 2 (2012/2/07)
ラジエターがどうしても取れない。ドライバー側のヘッドランプのポッドが邪魔しているようだ。無理をしてひきあげようとすると、ポッドがへこんできた。蓮車師匠のアドバイスで、観念してヘッドランプをはずすことにした。このクロムメッキグリルがまた取れない。マニュアルには引っ張り出す特殊工具がかかれてあるが、手元にないので「割り箸」を削ってつくった。やっとはずれた。
周辺は簡易型スチーム洗浄器でよく洗った後、黒エナメル塗装をしておいた。
とりはずしたラジエターはすさまじい「さび」だ。ホースもひどい。またルーカスの年代物のファンはステイがくさっていた。よくこれでまわっていたものだ。すごい音の割に冷却効果がないのも納得がいった。廃棄にする。
UKから輸入した際、時間がなかったのでクリスのはからいでRHD用のヘッドランプはそのままでステッカ―を取得した。この際LHD用に交換することにした。このシールドビームのゴムガスケットもぼろぼろなのでDavebeanに注文した。
さてシールドビームだが、CIBIEなどのブランドものはそこらへんのパーツ屋にはない。オンライン注文である。時間がかかるし、いずれ日本に持っていくのだから、ブランド物はやめておくことにした。日本ではしられていないが、こちらでは汎用の「シルバ二ア」のハロゲンにした。かなり明るいはずだ。RHD用のルーカスは保存して日本で使う。
アロイホイールの補修 2 (2002/2/06)
オリジナルホイールのセンターキャップがかなりくたびれてきているので新品購入を考えた。Davebean, RD, Banks, Millerどこにもありませんということだった。蓮車師匠からJAEにあるということでメールをだしたが。まったく返事がない。典型的な米国対応。やむをを得ず自分で塗装してみた。最後はクリアコートで仕上げた。4回塗りをした。.素人域をでないが、とりあえずこれで行くことにした。
ブレーキオイルリザーバの分解 (2012/2/05)
前から気になっていたのがラジエターの横にあるブレーキオイルのリザーバータンクのステイのひどい「さび」である。これを清掃するには一時的にオイルリザーバをはずさねばならない。蓮車師匠に聞いてみると、「下手をすると空気が入り大変だから(素人)は手を出さないほうが良い」ということだった。
僕はかつて素人の怖いもの知らずでエランのマスターシリンダーを自分で交換したことがある。これのときは空気抜きで大変な目にあったので躊躇していた。でも今回ラジエター周りを新しくすることを決定したので、やはりこのさびだらけの部分がどうしても気になった。
どうやったら空気をいれずにこの連結ステイを交換できるかを考えてみた。空気が入る余地がないようにすればよいのだから、上から注意深くオイルを抜いていけばよいと気づいた。米国の感謝際で七面鳥を焼くときに熱い油をまわしかけする。この時に使う「油かけ器」つまり巨大なスポイトを買ってきた。これでリザーバオイルを抜いた。そしてまずリザーバをはずした。
リザーバはうまくとれたが、ナット間に挟まれているステイがとれない。連結間のさびがひどく固着しているようだ。
WD40をかけて一晩置いてもハンドガスバーナであぶってもだめだった。そこでやむを得ず、連結部位を根元からはずして全部を分解せざるを得なくなった。やっと分解できたがものすごいさびである。しかし、一応このヨーロッパは「オリジナルにこだわるという精神」なので、全部さびとりしてメッキ塗装して再利用することにした。連結管もまだ使えそうだ。
清掃後、まず連結間を装着。そして小さなスポイトで少しづつ空気が入らないようにブレーキオイルを落としていき連結間上部まで満たした。何とかうまくいった。
ラジエター交換の準備 1 (2012/2/01)
僕のヨーロッパのラジエターはこの40年でさび止めの黒塗装を何度か塗り重ねてはあるが、オリジナルのままのようだ。昨夏は95度ぐらいでファンが回ってオーバーヒートはなかったが、何かすごい音でファンが回るわりには水温は下がらなかった。今思えばボルテージレギュレーターが不良だったので水温はあてにならない。だがいずれにしても信頼できないので交換するタイミングだと判断した。
米国のDavebeanにも RD enterpriseにもヨーロッパ用のラジエターは新品も中古もなかった。エランのコアの厚みをアップする張替えはseves & elansを通じて進行中だが、2ヶ月かかってもまだできてこない。そこでこのヨーロッパラジエターはバンクスヨーロッパに注文することにした。
オリジナルよりも20%効率アップしたという新しいラジエターと一緒に上下ホースと10インチのファンとグリルも注文した。
– GR0008 Uprated radiator (standard size) £262.84
– GT0004 10″ cooling fan £64.40
– BF0087 Radiator grille £39.98
ラジエターは注文受けてから組み立てるので少し時間がかかるといわれた。そこでその間に周辺の点検をすることにした。
まず前輪タイヤをはずしてみると、車体の外へ突き出している上下ラジエターホースを保護するための鉄板がボルト締めしてある。かなりさびているのでWD40をかけ一晩放置してから揺るめてはずした。バンクスのリチャードに頼めば自作してくれると思うが、これははまだ使えるのでカタチを整えてから「さび」を除いて塗装することにした。
まずはリョービの電動ドリルに金ブラシをつけてさびを落とした。そのあと、サンドペーパーで「でこぼこ」をとり、最後に90%イソプロパノールで丁寧に拭いて表面の油分を除去した。
次に速乾性亜鉛入りのスプレーで表面を薄くメッキしてさび止め処理をした。
最後は黒のエナメル塗装をした。どうせ見えるところではないのでこの程度の素人塗装でも充分だ。
ケントアロイホイールの補修 (2012/1/30)
オリジナルの13インチアロイホイールは40年経た割には程度は良いが、部分的に酸化がすすみ白く腐食している。夏に備えてこのホイールの補修を行うことにした。
依頼先はエランのホイールのカラーチェンジを頼んだと同じTewksbury にあるRimPro社である。ここはおそらく東海岸ではもっとも優れたホイール専門のレストアショップである。1本$175の見積もりだった。まず全面的に削リ、その上に全面パウダー塗装を施し黒く塗る。そしてスポーク部分だけ塗装をはがすとのことである。
英国バンクスヨーロッパからオリジナルアロイホイールが110ポンドで入手可能である。補修価格と変わらない。しかし、ここは新品購入はせずレストアで行くことにした。1週間後が楽しみである。
ボルテージレギュレータの交換 (2012/1/20)
燃料ゲージの不具合が発端でボルテージレギュレータを疑いはじめた。Davebeanに新品を注文し到着したまではよかったが端子の数が違う。蓮車師匠からの情報で新しいものはアース(E)端子がなく本体がEであることを知った。
次に配線して電圧が制御されているかどうかをテストしてみた。
まずオリジナルをアース(E)とIに電圧計をあてた。電圧数値が非常に不安定である。だいたい11V前後を示す。アース(E)と電源(B)では12.39Vである。
一方、新しいレギュレータはアース(E)とI間で正確に9.98Vを示し、アース(E)電源(B)間で12.56Vをしめした。やはりオリジナルはすでに制御能力が劣ってきているようだ。交換は正解だった。
しかし燃料計はというと、2つともほぼ同じところをさした。つまり燃料計の不具合はボルテージレギュレータが原因ではなかった。あとは水温計の動きに何か違いが出るのかどうかであるが。これはボストンでは雪が溶けないとわからない。
オリジナルVレギュレータ 新Vレギュレータ
このレギュレータのメカはバイメタルが入っていて、100%のうち、12Vで80%の通電後切れる。残りの20%がスイッチ切れていて0V。計器の対応はそのスピードよりも遅いので、平均して10Vになるというおそろしく原始的なものらしい。いずれ分解してみるつもりである。
燃料ゲージの不思議 2 (2012/1/19)
と書いているうちに蓮車師匠からアドバイスが来ました。どうやら私の推測は間違ってはいないようです。良かった。師匠からのアドバイスと貴重な手書き図を掲載します。ありがとうございました。
「ゲージもフロートも正常の様です。 燃料タンクは左右合計で「48㍑」くらい?理論的には、燃費が「10km/㍑」とすると240km位(150mile)位でメーターは半分くらいを指すはずですが、
実際はもっとルーズで、かなり長く「満タン」状態が続き、相当距離走った後で急激にメーターが下がってくる感じです。今更ですが「落書き」を添付します。まぁアームを曲げても満タンから空っぽまでリニアに残量を指し示す事は困難と思われますので、そのまま触らずにメーターの「癖」をつかむ様にした方が良いかと存じます」。
燃料ゲージがどうも思うように作動しない。ずっと満タン状態で、ある時点から減り始め、それからの減りが恐ろしく早い。ゲージの不調かと思いいろいろ調べてみた。後輪タイヤハウスのグロメットをはずして配線を確認した。センデイングユニット内部には図のようにアームがのび浮き輪がついている。
この浮き輪がガソリンの量が減るにつれてに下に下がってゲージが変化する。しかしこの浮き輪はタンクの半分より下についている。そして浮き輪は構造上、下に動くが上にはいかない。したがってガソリンが浮き輪より少しでも上まで入ると常にゲージは満タン状態になるのではないか。当然いくらそれ以上ガソリンをいれても浮き輪は水平のまま動かない。ガソリンの量が浮き輪より下にならない限りゲージは常に満タンを示しているのは当たり前ではないのだろうか。
ためしに、ガソリンをポンプでどんどんくみ上げてみた。浮き輪より下になったところでゲージは見事に下がってきた。あまりこういうことは尋ねたことはないが。皆さんの燃料ゲージの挙動はどうなのだろうと疑問に思った。もし僕の推測が正しいとすると。なんていう構造なのだろう。
スピードメーターの修理交換(2012/1/14)
スミスのスピードメータの距離積算計とトリップメーターが動かない。スピードメーターの針は動く。分解してみたが僕には無理だ。この際だから新品を買い、分解して距離を現在の数字に変更しようと思い、ミネソタにあるスミスゲージの専門店APT Instrumentに車名と年式を言って注文した。到着したので早速分解して距離数字を直した。取り付ける段階になって大きな間違いに気づいた。スピードメータにつながるワイヤーを連結部の形状がまるで違う。これはおそらく米国仕様か年式が新しいものだ。返品もできない。300ドル無駄にした。大失敗。
写真左が購入したもの。右側が72年スペシャル本国仕様。
しばらくしてebayにヨーロッパ用というメーターが出ていた。距離は僕のよりも少なかったのでこれも分解して距離をあわせよう思い15ドルで競り落とした。というより誰もこんなもの買うわけがない。しかし届いてびっくり。これはメーター直径が違った。どう考えてもエラン用だ。返却するには10ドル以上かかるので。この際勉強用にとっておくことにした。
そして結局、米国で唯一のスミスメーターの専門の修理屋、NYのNisonger Instrumentに依頼した。3週間かかって直ってきた。新品みたいである。最初からここに頼めばよかった。トリップメーターに連結する手元のワイヤーだけはAPT Instrumentから購入した新品から流用した。
取り付けははいたって簡単だった。元の配線どおり2つの支持板にはアース線もつけた。外は雪なので路上テストはまだである。
燃料キャップの交換 (2012/1/1)
僕のヨーロッパは1972年の5速スペシャル。まず経年で輝きがなくなっている燃
料キャップを交換した。僕のヨーロッパのキャップには鍵はついていない。しかしRD
にもDavebeanにも連結ネックがついた鍵付きのキャップしかない事が判明。しかも
120ドル。イギリスの Banks Europaに念のために聞いてみると。現在は鍵付きも
のしかないがネックはないものもあり35ユーロであるとのこと。これを注文した。
簡単に交換できると思ったが。40年の月日はすごいもので連結ネックがすっかり固
着していてはずれない。なんとかマイナスドライバーをすきまにいれてWD40を吹
き込んだりしてとった。
ところが今度はキャップのヒンジがすっかり錆びて固着していてキャップが外れな
い。これまたトンカチとドライバで時間をかけてたたき出した。
新品と交換して装着した。大変きれいになった。
ヨーロッパには鍵が多いが、左右燃料タンクキャップにはそれ
ぞれ別々の鍵が付いているのでまた増えた。
今晩は、吉田@デトロイトです。メーター不調には私も苦労しました。寒くなると、メーターからキーキー音を出して、まるで、B級映画のメーター指針のように振り切れてプランプランになると言う症状でした。分解すると、トリップ側のスプリングとダイアル送りカムが装着されておらず、蓮車親爺さんから古いメーターを譲っていただいて、2個一にして、一件落着したのですが、冬場を迎え寒くなると、同じ症状が出て、がっかりしました。あれこれ分解している内に、グリース不足に依る金属と樹脂の収縮差吸収不足ではないかと気づき、メカ部にグリースをたっぷり塗ることで多分解決したと思っています。現在、我がElanはウォーターポンプ交換の為、同じく厳寒の中で走れなくなっていますので、試すことが出来ないでいるからです。何時も色々と考えさせられるブログを楽しみにしております。
吉田様
お互いに苦労しますね。私のスミスも分解しましたらやはりトリップ側と送りカムの間にあるはずのスプリングがきれていました。何かすごく繊細な構造だということにきづきました。こんな華奢なのに5万も10万マイルも距離を刻むのだからすごいものだと逆に感心しましたが。結局新品1個含めて3つのスピードメーター.分解して(壊して)、僕には無理だと納得しました。私のつたない分解経験から言うと、プランプランは黒い数字板を通してメーター中央の針につながっているきわめて小さい「はずみ車」の不調ではないのかと思っています。いかがでしょうか。私のもプランプランして正しいスピードをしめしませんでした。思い切って針をぬいて板を取ってみますと「はずみ車」がひん曲がっていました。考える参考にしてください。コメントありがとうございました。
「落書き」は恥ずかしいのでやめてね(^_^;)。それと「師匠」もこそばゆいです(^_^;)。
私のElanの燃料計も満タンにしてもFまで針が届かず、しばらくして指針が下がってきます。フロートが最上位まで上がっていないからです。センダーユニットを外して、アームを曲げて調整するのだそうです。師匠のブログにメーター指針の精度調整作業のページが有りますので、それを参考に小生もこの冬の間に指針調整に挑戦する予定です。
蘇れ号 燃料計 (一部EASTMANさんに捧ぐ)の項ですね。私もタンクを空にして挑戦したくなりました。アームは上下するとなっていますが。私のアームは水平から上方向には上がっていきません。
ブレーキリザーバーステー塗装とのこと、ご苦労様です。ブレーキフルードのエア抜きは確かに大変ですね。ワンマンフルードフィーダー等有りますので、別途ご連絡致します。
お見事!素晴らしい作業です。「エア抜き」を忘れないで下さいネ。
はい。キャップ開けっ放しで\エンジンかけていけば良いのですよね。
ちゃいます!ラジエーターにあるちっちゃなスクリューです。この前送った画像で「赤丸」した所です。
2012年3月、気温20℃で「初乗り」。画像がたまりません(^o^)。
明らかに日本と違う(英国とも異なる、でもどこか似通っている)背景にエランとヨーロッパ。
しばらくは「吸気音」を楽しんで下さい!
03/31
アメリカはAT車が多いのでMT車用のオイルの入手が困難、と聞いた事があります。
100%化学合成オイルのようですが、ルノー製のミッションなので大丈夫でしょう。
緩んでいたネジを見つける辺りは流石です。
ただ、画像にぼんやり写っているジャッキの位置が気になります。
ヨーロッパのリアのジャッキアップポイントはリアフェンダーの後ろで、変態です。
「みしみし」いってました。ずっとこの部分に板いれてアップしてました。無知は車壊しますね。アドバイスありがとうございました。MT90はエランにもいいようです。
「ハッピー」じゃなくて「旧イノウエオートのニュースピードエンジニアリング製」ですよ~(^_^;)。
すみません。訂正しました。.
なかなか良い感じで装着されていますね。もう既に、オイルが少し溜まっているように見えますが如何でしょうか?走った後の状況を早く知りたいですね。よろしく。
2012/06/27
アメリカで生まれて日本に来てまたアメリカに戻りました(^o^)。
取り付けは専門ショップでお願いします。NC&NRで!
NC&NRとは何のことですか?
えらく苦労したみたいですね(^_^;)。
効果に期待しましょう!
Karoのフロアマットは米国では入手不可能でしょうか?蓮車親爺さんも車体色に会わせたマットを敷かれていましたが、私も手に入れたいですね。
EASTMANさんのエランは右ハンドルなので日本で買えます。私のエランは左ハンドルなので、型紙がないので出来ないといわれました。ですからX19とヨーロッパだけにしました。米国にも輸送してくれるようですが、高くつきますから、訪日にあわせて注文して日本で受取られるのが一番良いと思います。あとで10%値引きしてくれる代理店をメールでお知らせします。X19はクルマの内装にあわせて黒青にしたのですが、やはりKAROは白黒がいいですね。クルマが絞まります。
お見事です。私も張替えましたが自分ではやっていません。エンジンも出来ますよ!
Eastmanさん:有難うございます。しかし、ヨーロッパはエランのシートとは全く比べ物にならないぐらい簡単なつくりです。私もエランはプロに頼みました。
遅ればせながら明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今日プロショップ修理屋さんまでnew years driveしてきました。
ついでにクラッチを軽くしてもらうことにしました。
虎爺様:こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。修理屋ツーはまた参加しますので。今度こそ運転させてください。
いえいえ、素晴らしい仕事です(^o^)。
X19掲示板のメッセージありがとうございました。
ボストンさんからの最初のご回答を頂いた後、純正品は諦めて汎用エアークリーナーを購入しました。
ご親切にBanksにまで問い合わせ頂き恐縮するとともに感激しております。本当にお世話になります。”ヨーロッパ”は慣れないこともありますが運転席に座ると震えが止まりません恐怖を感じて
しまいます。エンジン音が大きいので猶更です。早く慣れて普通に運転を楽しみたいと思います。
これから徐々に創意工夫して安心して乗れるヨーロッパにしてゆこうと思います。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
懇情こめて
青木和男